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TPP大筋合意の可能性
―住江会長が「報ステ」で危険訴え―

(全国保険医新聞2015年7月25日号より)

 

  TPP(環太平洋連携協定)交渉の閣僚会合が7月末にハワイで予定されている。交渉の進展に不可欠とされていたTPA(貿易促進権限)法案が米国議会を通過し、今回の会合で大筋合意する可能性も報じられる。一方、政府の交渉担当者が、知的財産分野の医薬品にかかわる問題が「最も難航している」と語り、今後の閣僚会合でも「最大の争点となる」と強調するなど、各国国民の命と健康に直結する医療分野が交渉の大きな対立軸のひとつとして残っている。

新薬臨床試験データ保護期間で対立

 TPP政府対策本部は、市民を対象にした説明会で、最も難航している分野が知的財産分野であることを明らかにしている(5月15日)。とりわけ対立が厳しいとされるのが、新薬の臨床試験データ保護期間の問題だ。新薬を開発した製薬企業の利益を守るため、臨床試験データを一定の期間保護する。日本は現行では8年が最長だ。
 TPP交渉では米国が保護期間を10年以上にするよう求めていると報じられる。一方、保護期間の延長によって安価なジェネリック医薬品の製造、普及が阻害されることを懸念して、マレーシアやオーストラリア、ニュージーランドなどは5年以下を求めているとされる。

新薬の価格維持押し付けられる

 また、医薬品の承認や保険給付する価格を決定する各国のプロセスに利害関係者の関与を強めることも議論されている。特許が切れた新薬の価格を維持する「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の例が示唆的だ。現在、日本の医療保険制度に試行導入されているものだが、TPP交渉の窓口である米国通商代表部は、日本政府に対して、この仕組みの恒久化を求めている。

「薬価吊り上がる」住江会長

 TPP交渉での医薬品に関する問題は国民の関心も高い。7月9日放送のニュース番組「報道ステーション」はこの問題で特集を組んだ。保団連の住江会長は取材に答え、「米国は透明性が確保されていないという理由で、日本の薬価制度または薬事行政に介入し、とりわけ米国からの薬について価格を吊り上げていくことが予想される」と指摘した。

以上