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医科診療報酬改善を―厚労省に要請

(全国保険医新聞2015年9月15日号より)

 

 8月6日に医科診療報酬要求95項目に係る厚労省要請を実施した。全国保険医団体連合会の住江憲勇会長、武田浩一診療報酬改善対策委員長、中島幸裕地域医療対策部長、森明彦保・審査対策部担当理事が参加し、厚労省からは保険局医療課課長補佐の田村圭氏が対応した。

同一建物の算定制限、厚労省も「現場は非効率な状況」

 主な要請事項は、@「入院中の他医療機関の受診」に係る減算の撤廃、A特定疾患療養管理料や在宅自己注射指導管理料などの算定制限を廃止し外来でも在宅でも医療機関間の連携を推進する点数設定を行うこと、B在宅患者訪問診療料や在宅時医学総合管理料等における「同一建物居住者」の取り扱いや点数の大幅減額の撤廃などだ。
 厚労省は同一建物での訪問診療の取り扱いについて、同一日に2人以上診療した場合の大幅減算については「現場で訪問診療日を分ける等の非効率な状況になっており、どのような対応が可能か引き続き検討していきたい」などと述べた。

入院中の他医療機関受診問題で改善を要請

 保団連が「そもそも点数表に取り扱いは記されておらず、医療機関間の連携を阻害する」と指摘し、規制の撤廃を要望。厚労省は「分科会には淡々と調査結果を報告しており、具体的には今後の中医協審議に委ねられる」としながらも「そのような意見があることは承知しており、引き続き中医協で議論したい」との認識を示した。

入院後の特定疾患療養管理料算定制限の実態訴え

 特定疾患療養管理料や在宅自己注射指導管理料については、「例えば、一人の在宅患者に対して糖尿病と骨粗鬆症を別の医療機関で管理する事例は多いが、在宅自己注射指導管理料は片方しか算定できない。特定疾患療養管理料についても、例えば喘息患者が骨折で他院に入院した場合、退院後1月間は管理料を算定できないという制限があり、納得できない」と現場の切実な問題を指摘し、取り扱いの改善を求めた。
 特に、特定疾患療養管理料については現在、保団連として他院退院後1カ月以内の算定制限に関する実態調査を実施中であることを説明し、秋頃に再度、当該調査結果に基づく要請に応じてほしいと求めた。

中医協で在宅患者の重症度に応じた評価を検討

 在宅患者訪問診療料や在宅時医学総合管理料等における「同一建物居住者」の取り扱いや点数の大幅減額について保団連は撤廃を要請。これに対し厚労省は「建物についての考え方を撤廃することにはならないと思うが、中医協では患者の状態に合わせた段階を作る方向で議論されている」と述べ、建物の評価に加えて患者の重症度に応じた評価も検討しているとした。
 また、同一日に2人以上診療した場合の大幅減算については「現場で訪問診療日を分ける等の非効率な状況になっており、診療側も受け入れる施設側も不満の大きい点なので、どのような対応が可能か引き続き検討していきたい」と述べた。

有床診療所の評価引き上げを要請

 保団連は、入院点数について▽有床診療所入院基本料の病院に準拠した引き上げ▽看護職員の配置実態を踏まえた注の加算の引き上げ▽看護補助配置加算のより手厚い点数区分の新設▽一般病棟7対1入院基本料の自宅等退院患者割合や地域包括ケア病棟入院料の「在宅復帰率」等において規定する「在宅等」の対象への有床診療所の追加―等を要望。都市部以外では、有床診が急性期からの患者を受け入れて在宅に帰す役割を発揮している地域もあることを説明し、評価への配慮を求めた。
 その他、▽初・再診料等の引き上げ▽市販類似薬等の保険給付外しの撤回▽内服薬多剤投与に係る減額規定の廃止▽医療保険による維持期リハビリテーションの評価の継続們等を求め、医療現場の実態に即した改善を強く要求した。

厚労省要請

以上