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診療報酬引き上げ、ゼロ税率実現

会員署名スタート

(全国保険医新聞2015年10月5日号より)

 

 2016年の診療報酬改定は、「財政健全化」を主張する政府の下でマイナス改定が狙われている。また、17年4月から予定されている消費税の10%への増税は、今でも厳しい医療機関の「損税」負担をさらに重くする。医療機関の経営が脅かされれば、安全・安心な医療の提供は困難だ。全国保険医団体連合会は、診療報酬の引き上げや消費税のゼロ税率(免税)適用などを求める2つの会員署名の取り組みを呼び掛けている。

診療報酬引き下げで医療崩壊に拍車

 診療報酬改定率は、年末までに決定される見通しだ。保団連では診療報酬の大幅引き上げを求め、取り組みを強める。
 改定に向けた基本方針の議論が本格的に開始された9月20日の社会保障審議会医療保険部会では、「経済・財政との調和」として「骨太の方針15」への対応などが挙げられた。「骨太」では、20年度のプライマリーバランスの黒字化などを目標とし、社会保障費の削減を「歳出改革の重点分野」に位置付けた。16年度予算編成では、自然増分を15年度より3300億円削減することを目指している。また財務省は、診療報酬のマイナス改定を打ち出し、薬価引き下げ分の診療報酬本体への振り替えも否定している。
 小泉政権時代、毎年2200億円の社会保障費が削減され、4回連続で診療報酬が引き下げられた結果、医師・看護師不足や医療難民の増加など、「医療崩壊」といわれる事態に拍車をかけた。患者への安全・安心の医療の提供のためには、診療報酬の大幅引き上げが必要だ。
 診療報酬の財源にもなる医療への公的支出を増やすため、保団連は▽正規雇用労働者を増やし、賃金を引き上げ、その上で被用者保険の事業者負担割合などを増やす▽先進7カ国で低い水準にある法人税課税の引き上げ▽所得の高低に応じた所得税課税などを提案している(全国保険医新聞9月25日号参照)。

深刻な医療機関の消費税負担

 医療機関の消費税負担(損税)問題では、ゼロ税率の適用を目指す。保険診療を実務上課税売り上げとして取り扱い、税率ゼロ%で計算する。仕入れ時に支払った消費税額は全額控除できる。損税分は還付申告により解消される。
 政府は14年の診療報酬改定で8%増税に伴う「上乗せ」対応をしたとしている。しかし医療機関ごとに仕入れにかかる消費税額は異なり、設備投資の多い診療所や病院の負担は解消されきらず、不公平が残った。そもそも診療報酬への上乗せでは、患者に負担を押し付けることになってしまう。ゼロ税率では、医療機関の不公平や患者の負担も生じない。 医療機関の消費税負担の重さは深刻だ。消費税が5%時の診療所の損税は、医科で260万円、歯科で72万円とされている。消費税が10%となれば、この額が倍近くになるおそれがある。
 医療へのゼロ税率(免税)の適用とともに、保団連は医療機関にも患者にも負担の重い消費税増税の中止を求めている。

2つの会員署名にご協力ください キャンペーンリーフなど

以上