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  「憲法いかし、いのちまもる国民集会」に医療者、市民3,500人

(全国保険医新聞2015年11月5日号より)

国民皆保険の充実を訴えた杉山保団連理事と各地の協会からの参加者
国民皆保険の充実を訴えた杉山保団連理事と各地の協会からの参加者

  「憲法いかし、いのちまもる国民集会」が10月22日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた。全国保険医団体連合会をはじめ医療関係11団体がつくる実行委員会の主催。保団連、保険医協会からの参加者170人をはじめ、3,500人以上が集まり、社会保障の充実と、命と健康を危険にさらす安保関連法の廃止を訴えた。

■患者と共に

 保団連の杉山正隆理事はリレートークで、「TPPが始まれば、医薬品の価格が上がる。また、安保関連法が成立したので、軍事費が増大し社会保障費が削られかねない」と指摘「世界に冠たる日本の皆保険制度は、かなり壊れてきている」と述べ、医療者と患者が協して社会保障を充実させる取り組みが大切だと訴えた。

■医療者として声

 立教大学教授で精神科医の香山リカ氏が登壇。「医療を仕事とする私たちは、一人の人間の命を守ることの大変さ、命を奪われることの悲しみをよく知っている」と話し、「戦争につながる安保関連法への反対は、命を守るものとして当然の主張だ」と呼び掛けた。
 医療制度研究会副理事長の本田宏氏、花の谷クリニック院長の伊藤真美氏ら集会呼び掛け人があいさつし、社会保障の充実、平和と民主主義の大切さを訴えた。この他、医療介護、保育関係者らが発言。日本医師会会長の横倉義武氏から寄せられたメッセージが紹介された。
 参加者らは最後に、「命まもる」と書かれたメッセージボードを集会会場に隣接する厚労省に向けて掲げ、「医療を守れ」「医師を増やせ」と声を上げた。
 集会では、@国の責任で命と人権が大切にされる社会保障の充実A医療・介護の負担増、営利化反対、診療報酬のマイナス改定反対Bストップ戦争法、平和なくして医療・介護なしC医師、看護師、介護職員などの大幅増員・処遇改善―を呼び掛けるアピールを採択した。
 集会後は社会保障の充実などを訴え、銀座をパレードした。

厚労省に向けて「医療を守れ」と声を上げる参加者
厚労省に向けて「医療を守れ」と声を上げる参加者

「命を守る者として」社会保障の充実を 安保関連法に反対

 「憲法いかし、いのちまもる10.22国民集会」での各氏の発言を紹介する。

発言する杉山氏■保団連理事・歯科医師・杉山 正隆氏

 自分の父も歯科医師だが、65年間診療してきてこんなにひどい時代が来るとは思わなかったと言っている。TPPが始まれば、医薬品の価格が上がる。安保関連法が成立したので、軍事費が増大し社会保障費が削られかねない。
 歯科は今でも保険外の治療が多いが、医科にも保険外しが広がろうとしている。WHOが世界一と認めた世界に冠たる日本の皆保険制度は、かなり壊れてきている。
 介護保険の自己負担は8月から、一定以上の所得のある人は1割から2割にあがった。介護職員は待遇が悪く大変だ。
 「命の沙汰も金次第」となってはいけない。命と人権を守ろう。日本が一部の金持ちのための国にならないよう、医療者も患者も一丸となって皆保険を守ろう。

 

発言する中野氏■医労連中央執行委員長・中野 千香子氏

 この集会は、小泉政権が「構造改革」の名の下に医療・社会保障の削減を進めていた2006年にスタートし、今年で11回目だ。07年には政府による医師不足への対策がとりまとめられ、その後不十分ではあるが、医師の養成数が増える、看護師の勤務環境改善を求める通知が出されるなどの成果も上げてきた。全国各地からさらに大きく声を上げていこう。

 

発言する本田氏■医療制度研究会副理事長・本田 宏氏

 日本の資本主義の父とされている渋沢栄一は明治時代に、官尊民卑の官僚政治と社会貢献意識が乏しい経済界、この2つが日本の問題だと指摘した。同時代のキューバのホセ・マルティという革命家は著書で、日本では一部の勢力が皇室を利用して富と名誉を独占し、国民を貧困と無教養においていると述べている。皇室が米国に代わっただけで、状況は今も変わっていない。本当の民主主義を勝ち取ろう。

 

発言する伊藤氏■花の谷クリニック院長・伊藤真美氏

 命を守る医療、命を支える介護、命を尊重する福祉に関わる私たちは、真の平和と思いやりのある社会保障制度を希求する。立憲主義、民主主義、平和尊重は大切な命に直結する。これらを無視して成立した安保関連法の実行は、なんとしても阻止するべきだ。
 長生きできる幸せを実感できる社会にするため、軍事費ではなく、社会保障費を増やさなければならない。

 集会では他に、集会呼び掛け人で日本赤十字看護大学客員教授の川嶋みどり氏のメッセージが紹介され、医療、介護、保育関係者、患者らが発言した。

【ゲスト】精神科医・立教大学教授・香山リカ氏発言する香山氏

この夏、国会前で何度も「安保関連法案反対」と声を上げた。
医療を仕事とする私たちは、一人の人間の命を守ることの大変さ、命を奪われることの悲しみをよく知っている。ひとたび戦争が起これば、一人ひとりの命が軽んじられ、数で数えられるようになる。戦争につながる安保関連法への反対は、命を守る者として当然の主張だ。心ない言葉で自信や誇りを失うことなく、声を上げ続けよう。


日本医師会からのメッセージ

「憲法いかし、いのちまもる10・22国民集会」のご盛会を心よりお祝い申し上げます。関係各位のご尽力に敬意を表し、参加者皆様のご健闘ご活躍を祈念いたします。

日本医師会 会長 横倉義武


医療関係団体からの賛同
(順不同)

北海道歯科医師会/秋田県歯科医師会/多治見市医師会/揖斐郡医師会/いなべ医師会・会長/名賀医師会/四日市医師会/松阪地区歯科医師会/下松医師会/小野田医師会/柳井医師会/坂出市医師会/高知県医師会/全国自治体病院協議会/全国病院理学療法協会/日本作業療法士協会/日本慢性期医療協会/認知症の人と家族の会/富山県介護福祉士会/岐阜県老人保健施設協会/静岡県介護福祉士会/NPO愛知健康センター/三重県腎友会

以上