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医科・歯科別に課題掘り下げ
―審査、指導、監査担当者会議―

(全国保険医新聞2015年12月25日号より)

41協会・医会から125人が参加した。写真は全体会のもよう
41協会・医会から125人が参加した。写真は全体会のもよう

 保団連は11月15日、東京都内で審査、指導、監査対策担当者会議を開催した(概要はこちら)。41協会・医会から125人が参加。基調報告や各協会での取り組みの報告に続いて、医科、歯科別に分散会が行われた。

【医科分散会】電子カルテと個別指導対策で議論

 医科分散会では武田浩一医科部長の進行の下、電子カルテにおける個別指導対策をめぐり活発な議論を行った。
 電子カルテについては新規開業医の多くが導入しており、将来的な普及が予想される一方、「カルテで診療の要点を求められる点数で、その注意喚起がなされない」、「電子カルテに内蔵されている診療情報提供文書等の書式に不備がある」等、診療報酬制度と電子カルテ機能との不整合が個別指導での「指摘」につながり、保険医が不利益を被っている現状も指摘されている。
 まず、電子カルテを取り巻く情勢、導入に伴う個別指導時の注意点などを含め総合的な情報提供を目的に、電子カルテの保険医並びに電子カルテ業者との接点が多い医療コンサルティングのメディキャスト椛蜷シ大輔氏(メディプラザ事業部統括マネージャー)の講演の後、福岡協会の「電子カルテ業者向け講習会」、福島協会の「医療クラーク養成講座」の取り組みが報告された。

 

医療クラークの重要性増す

 大西氏は、▽昨今の電子カルテをめぐる情勢▽導入に伴うメリットやデメリット▽保団連との協力で行った「現状の個別指導への対応状況」に関する電子カルテ業者へのアンケート結果について報告。
その上で、「本質的に重要な点はカルテが紙、デジタル媒体であるかにかかわらずその記載内容を充実させること」とし、1つの対策として医師の行う事務作業を補助するスタッフである「医療クラーク」の養成の重要性を指摘した。そして、「仮に電子カルテの普及が今後進んだ場合には、代行入力や書類作成業務等の業務効率化の面で、医療クラークの重要性は増すことが予想される」とした。

 

運用コストなどで課題も

 講演に対してフロアからは、「電子カルテ導入も踏まえた医療クラークの養成講座について興味がある」との意見もある一方で、「紙カルテの運用で不自由は無い」、「電子カルテ導入による将来的な運用コストを考えた場合デメリットの方が多い」、「電子カルテの普及の中で、これまで保険医が恩恵を受けたことがない」との意見も出された。

 

【歯科分散会】審査、指導対策の留意点を学習・交流

 歯科分散会では、田辺隆副会長から「審査をめぐる状況と今後の動向や注意点」、新井良一歯科社保部長からは「個別指導の現状や留意点、改善運動の推進」について講演が行われた。

 

点数表の正確な解釈を踏まえた請求必須

 田辺副会長は講演で、電子請求の進展に伴う審査の現状として、歯科では原審査査定(件数ベース)の約2割は縦覧点検によるもので、歯科点数表の正確な解釈を踏まえた請求が必須と指摘した。
また、審査が歯科医学的な判断を必要とする場合を除いて、査定が基本となっており、歯科では算定要件の関係で一部点数の査定が別の点数の査定に連動する問題が特徴だと述べた。

 

会員サポート、厚生局等への改善要請が重要

 新井部長は講演で、個別指導の経験談や協会に寄せられた相談事例を紹介しつつ、持参物の準備やカルテ記載に係る留意点を解説。個別指導時の会員サポート、弁護士帯同や録音の取り組み、各厚生(支)局や厚労省指導監査課への改善要請の積み重ねが重要と述べた。

 

患者リストの送付方法・期間や持参物で地域差

 討論では、個別指導等に係る選定患者リストの送付方法・期間や持参物の地域差が報告された。保険医の負担にならない方向での改善運動につなげていくことや、各厚生局が指導実施のマニュアルとして利用している「医療指導監査業務等実施要領」を改善させる要請の必要性も指摘された。
協会の取り組みでは、神奈川協会の日弁連人権擁護委員会委員を招いた個別指導対策シンポジウム開催、兵庫協会で指導問題を含む幅広いテーマで議論する「保険診療法制研究会」の立ち上げ、大阪歯科協会で帯同の弁護士団結成などが報告され、意見交流された。

以上