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保険医の声が指導を改善

社保審査対策部担当副会長 田辺 隆
全国保険医新聞2016年5月5・15日号より)

 

 厚労省は3月22日付で今年度の指導方針を示した「特定共同指導等に係る取扱いについて」(通知)を発出した。個別指導実施通知、対象患者名の通知、診療録の持参について、一定の改善が図られた。
 個別指導実施通知は「指導日の1カ月前」になる。保団連、保険医協会・医会では、患者の受診動向が変化しているため、4週間以上前に通知が届かないと調整が困難となり、患者に迷惑をかけると指摘してきた。また、指導対象患者名の通知は「1週間前に20人分、前日に10人分」となる。これについても、2008年の通知で改悪されて以降、「これでは徹夜で準備しても間に合わない」「極端に短い準備期間が、資料不足等の理由による個別指導『中断』発生の原因ではないか」など、多くの声が寄せられていた。
 保団連、協会・医会では指導の改善を求めて、都道府県事務所、地方厚生(支)局、厚労省等に対して粘り強く要請してきた。日弁連意見書の発表や国会での追及による政府答弁に結び付き、大きな成果となったものである。
 当該通知が発出された日の参議院厚生労働委員会で唐澤保険局長が、「大綱の問題あるいは高点数の問題等」に言及し、協議・見直しを進めると答弁している。
 保団連は全国の協会・医会、各ブロックの取り組みを踏まえ、今年度の通知の分析を進め、各都道府県厚生(支)局・事務所との懇談に向けた情報提供に努めるとともに、引き続き、集団的個別指導と個別指導の高点数による選定をやめるよう強く求め、取り組みを進める。

 

個別指導の通知時期など改善―協会・医会、保団連の要望実る

 厚労省が3月に発出した通知により、指導の取り扱いが改善された。内容を紹介する。

 厚労省は3月22日付で今年度の指導方針を示した「特定共同指導等に係る取扱いについて」(通知)を発出した。▽個別指導実施通知については、これまで「指導日の3週間前」だったが「1カ月前」に前倒し▽患者名の通知については、医科・歯科診療所、病院とも「指導日の4日前に15人分、指導日の前日に15人分」から「指導日の1週間前に20人分、指導日の前日に10人分」に▽診療録等の持参については、引き続き「全ての記録」の持参が要件となっているが、「初診時に遡ると診療録の枚数が膨大になる等の理由により、準備する診療録の軽減の申し出があった場合」は相談に応じる旨通知に明記▽電子データを閲覧するための電子機器及びソフトウエアを準備すれば、データの持参でもよいことを通知に明記―など、改善が図られている。
 これまで保険医協会・医会、保団連が粘り強く改善を求めてきた内容が大きく反映された(一覧表参照)。

 

「実施通知4週間以上前に」 昨年の厚労省要請で

保団連は今回改善した内容について、次のような要請を行ってきた(2015年の厚労省要請書から関連要請項目を抜粋)。

指導対象カルテの指定については「実施日の概ね1週間から10日前に通知」する取扱いに戻すこと

指導当日の資料等の持参物については、被指導者側の任意の協力によるものであり、必要最少限の範囲にとどめること

電子カルテの場合、指導時の持参物の印刷に多大な時間と費用がかかるため、内容が表示できるパソコンや、電子媒体の持参でも可能とし、被指導対象者が選択できるようにすること

個別指導の実施通知については、4週間以上前に通知が届くようにすること

以上