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「運用実施までの期間長く」
―診療報酬改定の不合理是正を要請―

全国保険医新聞2016年7月5日号より)

 6月15日に行われた診療報酬改定の不合理是正を求める厚労省要請について詳報する(概要は6/25号)。
 要請では、特に「診療報酬改定実施時期」、「鼻腔・咽頭拭い液採取料」、「別紙様式14」、「小規模多機能型居宅介護施設への訪問診療に係る30日ルール」、「通院・在宅精神療法の減算規定」の項目について議論した。

鼻腔・咽頭拭い液の採取料の制限で現場混乱と指摘

 まず、毎回の診療報酬改定については、3月中旬の告示・通知の発出から4月1日の新点数運用実施までの期間があまりにも短く、改定年度ごとに現場で大きな混乱、負担を生じさせている点を指摘。厚労省が、過去に診療報酬4月改定、6月実施を行ったことがある点を踏まえ、改定から新点数での運用実施までの期間に余裕を持たせることをあらためて求めた。
 次に、今次改定で新設された鼻腔・咽頭拭い液の採取料の要件については、「1日につき1回の算定」とする点数表告示には記載のない制限を唐突に疑義解釈かけたことで現場が混乱している点を指摘。厚労省は「疑義解釈は検体採取のみならずそれに係る準備等も含めた一連の行為を評価する趣旨を明確化したもの」と回答。他方で説明が遅れ、現場に混乱を招いた点に関しては謝意を示した。また、同点数は「1日につき1回の算定」との運用を継続するが、要件のあり方については、今後の算定状況や関連学会の意見も踏まえつつ考えていくとも述べた。
 前回改定で新設された同一建物への診療患者の要介護度等の記載を求める別紙様式14については、「多大な事務負担」、「全く利活用がされておらず不適切事例の抑止力となっていない」といった実態を踏まえ、あらためて廃止を求めた。

小規模多機能施設の訪問診療制限に緩和措置要請

 さらに、小規模多機能型居宅介護施設への訪問診療に関して、「過去30日以内に自宅で訪問診療料を算定した後、30日以内のみ算定可能」との制限が今次改定で突然導入されたことで、「やむを得ない事情で小規模多機能へ長期間滞在する入居者が行き場を失いかねない」実態を告発。 
 速やかに何らかの猶予措置やレセプトへのコメント記入で当面は訪問診療料等の算定を可とする緩和措置等を要請した。
 最後に、今次改定で新設された3剤以上の向精神薬の多剤投与患者割合が一定数を超えた場合の通院・在宅精神療法の減算規定については、「減算規定への対応に伴う向精神薬の減薬が、症状を大幅に悪化させた実例もある」との大阪協会が実施したアンケートでの会員の声を報告。精神科の疾患は発症メカニズムが解明されていないものが多く、ガイドラインに沿った治療が困難である点を踏まえ、向精神薬の多剤投与患者割合で一律に診療報酬の減算を行う規定の撤回を要請した。

以上