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【熊本地震】命つなぐ災害時の健康づくり
―熊本で口腔状態改善のとりくみ―

全国保険医新聞2016年6月25日号より)

 

 4月に震度7の地震が2度あり大きな被害が出た「熊本地震」は、発災から2カ月がたっても余震が続き、避難所や車中・テント生活を余儀なくされる人が少なくない。梅雨から真夏に掛けて増えてくると懸念されている肺炎など、生活が不活発な現状や口腔内などの衛生状態悪化を改善し健康づくりを進めようとする講演会などが熊本市内で相次いで開かれている。

最近の子どもの口「何かがおかしい」

 6月12日には、市民団体「食べて話してつながろう中央区応援隊」が「命をつなぐ災害時の口の健康づくり」をテーマに奈良県橿原市の北村義久歯科医師を講師に招き学習会を開催。災害時の健康全般に関する口腔の健康について1時間半にわたり北村氏がスライドを交えて話し、50人が時おりうなずいたりメモを取ったりしながら聞き入った。
 北村氏は講演の冒頭、「最近、子どもの口の中は『何かがおかしい』と感じている」と指摘。その上で、子どもたちは、母親の体格が細くなっているうえ、早産が増えていることや、昔ながらの遊びによる発達が見込めなくなったこともあり、口呼吸や低位舌が多く認められていることに警鐘を鳴らした。「発育や発達に沿った体感トレーニングが重要」と強調した。
 一方で、「入れ歯は細菌などが繁殖しやすく、ムシ歯などのハイリスク要因」とも言い、歯垢の顕微鏡の動画や、成人が歯磨きせず1週間過ごした実験などを通じ「4日間、口の中の清掃をしなければ細菌が1000億個にもなる」と指摘。歯磨きなどの重要性を指摘した上で、「やはり朝昼晩きっちり食べることが重要だ」と述べた。
 続いて災害時の犯罪などについて、検察官出身の渡辺絵美弁護士が講演した。渡辺氏は「家庭で食卓を囲む、きちんと大人が子どもの話を聞く。そんな当たり前のことが犯罪を防ぐことを痛感している。笑顔と食事で愛を伝えたい」と話した。

身近な子どもたちを幸せに

 また、前日の11日には市民団体「くまもと歯っぴーかむカムひごまる協議会」の笑福セミナーがあり、奈良県の吉田美香歯科医師が発達障がい児の歯科治療について講演した。吉田氏は北村氏らとともに診療している。 最初に、「医療と人権」について触れ、災害時の医療に関する考えや、小児歯科医として妊婦や赤ちゃん、子どもたちの診療に当たっている現状や思いを話した。
 吉田氏は治療に関するスライドを見せながら、「子どもたちに伝えるべきなのは、お金などではなく、自然や人々、教育から得られる『どんな時にでもなくならないもの』。子どもたちはすごい力を持っている。まず身近な子どもたちを少し幸せにしませんか」と呼び掛けた。(理事 杉山 正隆)。

以上