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【熊本地震】震災被害の経験を活かす
―熊本・勤務医部会が講演会―

全国保険医新聞2016年8月25日号より)

 


熊本地震被災時の医療提供に対応した4人の医師が経験と教訓を語った

 

 4月16日の熊本地震本震の発生から3カ月余りが過ぎた7月22日、熊本県保険医協会勤務医部会主催の講演会「災害と医療」が、熊本中央病院大講堂で開催され、医師ら125人が参加した。
 講演会は、熊本協会の橋本洋一郎副会長(勤務医部会会長)が座長を務め、4人が講演した。
 「災害医療の現場を体験して」をテーマに講演した上益城郡医師会の永田壮一会長は、震度7を2回経験した状況と、その後JMATとして災害対策に取り組んだ経験を報告。医療機関や住民に災害対策マニュアルや緊急行動マニュアルを周知徹底する重要性を指摘した。
 「熊本地震―エコノミークラス症候群『早期多発』を振り返る」について講演した済生会熊本病院の中尾浩一副院長は、車中泊による肺塞栓(エコノミークラス症候群)大量発生に対して迅速かつ丁寧なマスコミ対策と情報伝達の徹底で早期に対応できたことを報告するとともに、今後は車中泊を当然のスタイルとして防災計画に組み込む必要性を訴えた。
 「熊本地震そのとき阿蘇は!」をテーマに講演した阿蘇医療センターの甲斐豊病院長は、センターが免震建築であったことや全職員による防災訓練が生かされたことを報告。今後の課題として、熊本市内との交通網復旧に時間がかかることから診療体制や職員対応の構築、BCPに基づく災害対策マニュアルの作成が必要であると述べた。
 「熊本地震で災害医療コーディネーターの果たした役割」について講演した熊本県赤十字血液センターの井清司所長は、大規模病院避難やドクターヘリ等の成果と、指揮命令系統の不十分さや、車中泊が多く避難実態の把握が困難だったことなど、今後に向けた課題を報告した。
 講演会を通じて、熊本地震における災害被害の経験や今後起こり得る災害に向けた課題が整理された。

以上