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女性部アンケート"産前休暇「ゼロ」3割"
男性会員はどう見たか

全国保険医新聞2016年9月5日号より)

 

 保団連女性部が昨年行ったアンケート調査では、開業後の女性医師・歯科医師の産前休暇「ゼロ」が約3割、産後休暇も30日未満が多くを占めるなど、開業女性医師・歯科医師の過酷な労働実態が明らかになった(本紙6月5日号で既報)。男性医師・歯科医師は結果をはどうとらえたのか。会員にコメントを寄せてもらった。

 

何かの間違いでは…とにかく驚き

 まずびっくりしたのは、産前・産後の休暇取得率があまりにも低いことだった。記事や資料を読み進めていくと、産前休暇0日どころか産後休暇0日というケースもあった。常識ではあり得ないことで、何かの間違いではと保団連の女性部担当理事に尋ねたほどであった。
 昔と時代が変わって、夫も一緒に出産に立ち会ったり、育児休暇をとったりする時代である。出産前まで嫁を働かせ、産後の肥立ちも(今では産褥期か)待たずに働かせるという話を聞いたことがある。でも戦前、いや女性の人権が認知される以前の明治大正時代のことと思っていた。それが現代に起きているのだ。まして、その重要性を一番理解しているはずの女性医師・歯科医師がなぜ休暇をとることができないのだろうか?昔は怖い姑が邪魔をしたが、今は…。
 記事を読み進めてみると、1人開業医の抱える根本的な問題が浮上した。代診を頼めない、休診にすると患者に迷惑をかけてしまう、休診や代診による経済的な理由等さまざまなことが列挙してあった。個別にやりくりしていると思われるが、いずれも大きな問題で、女性医師・歯科医師の出産を応援し、無理なく休暇を取得するためには制度的に解決する必要があると思う。より多くの人にこの現実を知ってもらい、保団連を中心として対策を取ってほしいと思う。
(栃木県保険医協会副会長 大橋 博)


出産や育児見込んだ開業計画は必要

 今回のアンケート結果を見て、あらためて女性の開業と、出産・育児の両立の難しさを感じました。
代診医やベビーシッターの活用については、海外でも助成を行っている国があります。国策として出生率を上げる、子育て支援をするというのであれば、国の方から率先して制度の確立を推進して欲しいものです。
 一方で、社会や国が納得する支援を訴えるためには、開業する側も、出産や育児をしっかりと組み込んだ開業計画を立てておく必要があると思います。
 厳しいようですが、「開業してすぐに妊娠した」というようなケースについては、幾分、開業に対する計画性が不足しているようにも感じます。そこは会社勤務の方とは異なった意味での覚悟が必要だと思います。
 ただ、開業医のいいところは、働き方をある程度自分で調整・工夫ができるというところです。
 女性が開業を目指す上で、どのような出産・子育てを含めた経営スタイルにしていきたいのか、どのようにその時期を乗り越えていくのか、保団連のような団体の中で継続して話題として取り上げ、さまざまなアイデア、モデルケースを共有し合えるといいと思います。
(佐賀県保険医協会理事 古庄龍央)


スーパードクターでなく普通の医師が働ける環境を

 保団連女性部が女性開業医・歯科開業医会員を対象に実施した労働環境の実態調査の結果は、予想していたとはいえ驚くべきものであった。
 日本の医療は、勤務医も含めて医師の過酷な労働によって支えられているという実態の一端が明らかになった。労働基準法が適応されていない無法地帯である。厚生省と労働省が統合された後、厚生労働大臣を務めた舛添氏は、かつて大臣答弁で次のように発言したことがある―「まさに統合されたわけですから、医師労働についてもきちんと対応しなければなりません。パンドラの箱を開けるような大変なことではありますが」
 保団連女性部は医師・歯科医師の労働環境が改善し、スーパードクターが担うのではなく、医療現場が普通の常識的な労働環境となるよう努力していきます。
(女性部担当理事 細田 悟)

以上