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待ち時間を楽しく クイズで考える医療
―診療所の待合室で活用を―

全国保険医新聞2016年9月25日号より)

 

 全国保険医団体連合会は国が進める患者負担増計画を知らせ、より良い医療を求める世論を盛り上げるためのPRグッズ「クイズで考える私たちの医療」(クイズチラシ)を作成した。診療までの待ち時間を使って患者さんに簡単なクイズにチャレンジしてもらい、応募してくれた人には豪華景品の抽選も。保団連では広く医療機関での活用を呼び掛けている。

 クイズチラシは、診療の待ち時間に、医療政策に関する3つの簡単なクイズに答えてもらうというもの。昨年の応募者からは「退屈な待ち時間を楽しくすごせた」といった声が寄せられた。

患者さんに気軽に発信

 政府が進めている負担増計画で影響を受けるのは高齢者だけではない、窓口負担を重くしすぎないための高額療養費制度とは、歯周病と糖尿病の意外な関係…。簡単な解説を読み進めるうちに、国が進める負担増計画がわかるようになっている。
 「クイズに答えて景品ゲット…に目がいってチラシを手にしたが、内容を読んでびっくりしてしまった。スポーツジムの友達に拡散します」「医療費負担について学んでみようと思うきっかけになった」などの感想もあった。
 待合室に気軽に置けるのもクイズチラシの魅力だ。「景品に工夫がされていて、患者さんにも興味を持ってもらえるのではと思った。患者さんに喜ばれる待合室の発信は取り組みやすい」と話す会員もいた。

 

負担増で懸念される重症化

 「今後負担が多くなると絶対的に生活が厳しくなると思う」「年金も少なく先のことを考えると長生きも考えもの」「来年60歳になるが、今後の医療費負担に不安を感じている」。昨年までの取り組みでは、負担増への不安を訴える声も多かった。
 国は、社会保障費の抑制を目的に、大幅な患者負担増を計画している。2017年度予算の概算要求の基本方針では、毎年1兆円とも言われる社会保障の自然増分は6400億円。これをさらに5000億円へと削減する予定だ。高額療養費制度での70歳以上の負担上限額引き上げや後期高齢者の窓口負担原則2割化、「かかりつけ医普及」を理由とした受診時定額負担の導入や市販類似薬の保険外しなどが検討されている。
 懸念されるのは、受診抑制に伴う重症化だ。保団連が実施した受診実態調査では、経済的理由による治療中断を40%以上の医療機関が経験しており、「重症化してから受診する患者が増えた」「自己判断で市販薬に頼り、悪化してから来院する患者が増えた」等の実態も寄せられた。
 保団連はクイズチラシを活用し、負担増を食い止める世論を待合室から広げることにしている。

以上