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医療機関への税務行政改善へ
―中国、近畿で国税局と懇談―

全国保険医新聞2017年3月15日号より)

 

 保団連は医療機関への税務行政の改善を求めて国税局との懇談を呼び掛けている。2月16日に中国ブロック、2月22日に近畿ブロックが懇談を実施した。

持ち帰りは最小限に―広島国税局

 中国ブロックの懇談には協会役員、税理士、弁護士など14人が出席。国税通則法にもとづく事前通知は書面で行うべきとの求めに対して、国税局は「法令上特段の方法は定められておらず、電話で帳簿等を確認しつつ進めたい」と従来の姿勢を繰り返した。行政通達で「相当の時間的余裕」をおいて事前通知するとされているにもかかわらず、会員調査では「15日以上前」は3割に満たない。ブロックは、医療機関の高い公共性・公益性を考慮して、少なくとも2週間以上前に通知すべきと要望した。
 現場調査が原則にも関わらず、帳簿類の持ち帰り要求が5割以上と会員調査で報告されている。ブロックは「持ち帰りの承諾は任意で、断ることができること」を現場で丁寧に説明するよう求めた。持ち帰りに応じた場合、署内でのコピーが想定され、調査も長引くケースが多い。持ち帰りを断っても罰則はない。

通知は書面で確実に―大阪国税局

 近畿ブロックの懇談には安藤元博保団連理事、協会役員、事務局12人が出席。事前通知について、国税局は原則として電話によると従前の回答に留まった。ブロックで実施したアンケートでは、電話で事前通知を受けた15人のうち11項目すべてを理解したのは1人だったという結果を紹介。通知項目を確実に伝わるようにするためにも、書面での通知を行うべきと求めた。
 帳簿類の持ち帰りについて、ブロック側からは「当然のように求めてくる例もあり、断ったら不利益を受けるのではないかとの不信感もある」として、改善を求めた。国税局は、原則は現場での調査であり、持ち帰りは必要最小限の範囲で行うもの、懸念や要望は局で共有したいと述べた。「質問応答記録書」の作成はしない、署名押印を強要しないとの要望については、関係部局に伝えたいとした。


【解説】書面による事前通知

 2013年より、実地の税務調査に際して、調査を行う日時・場所、対象となる税目・期間、帳簿類等など11項目について原則事前通知を行うことが法令上明文化された。税務当局は、通知の方法は定められていないなどとして従来同様電話で実施している。しかし、適正な調査が保障される上で、書面による通知が必要である。日本税理士連合会も2016年10月の政府の規制改革推進会議・行政手続部会で「通知事項が多岐に渡り、納税者・税理士における聞き取り・メモ等の負担が大きい」「聞き残しや誤記の可能性もある」「時間も短縮できる」などとして、書面による通知を要望している。