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「払える国保料」を
―18年度から都道府県単位化 改善求め取り組み―

全国保険医新聞2017年7月5日号より)

 

 2018年度から国保が都道府県単位化され、都道府県と市町村が共同で保険者となる。これまで市町村が独自に行ってきた保険料軽減措置の廃止が提言されるなど、国保料の値上げが懸念される。現在都道府県では、18年度からの国保料の算定方法などを定める国保運営方針の策定や国保料の試算等が進められている。試算結果や運営方針に関する審議の情報公開、「払える国保料」設定などを求める各地の取り組みを紹介する。

 

9月に向けて署名の取り組み―大阪

大阪府守口市での自治体キャラバン

 大阪府は2月に、18年度からの府内の国保料の試算を公表。3月に大阪府保険医協会も加盟する大阪府社会保障推進協議会の要請で、府による説明会が開催された。大阪府は府内統一保険料率とするとしており、府が示した第1次試算では、ほとんどの自治体で現行保険料より引き上がる結果となった。府はデータが不正確であるとしていたが、法定外繰入で保険料を引き下げてきた自治体で大きく値上がりすることは確実といえる。
 大阪社保協では5月から6月にかけて、府内の市町村と懇談を重ねる「大阪府統一国保緊急キャラバン行動」に取り組み、40市町村と懇談した。キャラバン行動では、試算で保険料額が上がった市町村から「市民に説明がつかない」など動揺の声が次々と上がった。大阪府は8月に再度試算を公表する予定だ。
 大阪社保協は来年度予算の決定を見据え、9月に向けて、府と市町村に保険料を値上げしないことや保険料負担の増大を防ぐための法定外繰り入れを可能とするよう求める署名に取り組む。

情報公開求め粘り強く懇談―徳島

県の担当者に要請書を手渡す
徳島県社保協会長の井上尚氏

 徳島県保険医協会が加盟する徳島県社保協は、4月28日に徳島県と懇談。支払い能力に応じた国保料にすることと国保料の試算結果の公開、国保運営協議会の民主的な運営と情報公開などを要請した。1月にも県との懇談を行っており、その際には国保料の試算結果などについて「公開は考えていない」との回答だったが、今回の懇談でも回答は変わらなかった。 
 5月15日には徳島市と懇談し、試算結果や市町村と県との協議の公開を県に要望することや、支払い能力に応じた保険料にすることなどを求めた。徳島市の回答は、試算について県からまだ説明を受けておらず、結果が伝えられるのは秋以降になり、県と自治体間の協議の内容は県に問い合わせてほしいというものだった。
 国保料は暮らしに大きな影響を与える重要な問題であり、早急に試算結果を公表すべきだ。県社保協は、県民に開かれた行政を求めて、県および県内の各自治体に対し、今後も粘り強く要請と懇談を行っていくこととしている。

県の職員招き学習会―鹿児島

鹿児島協会での県の担当者を招いた学習会のもよう

 鹿児島県保険医協会では「国保対策プロジェクトチーム」を発足させ、市町村国保特別会計や国保の都道府県単位化などについての学習会、県や市の職員を招いての学習懇談会を開催してきた。
 鹿児島市は、国保特別会計の累積赤字解消のために保険料の値上げを求める「鹿児島市国民健康保険財政健全化計画(素案)」を公表。協会はこれに対して、「鹿児島市国保料を引き上げるための口実づくりと言わざるを得ず、決して鹿児島市の国保加入世帯の生活実態を直視し、真に市民生活について考えたものとは言えない」とするパブリックコメントを提出した。
 また鹿児島県に対し、18年度からの県内各市町村の国保料の試算状況について情報公開請求するとともに、法定外繰入の継続や国庫負担増額の国への要請などを申し入れした。
 協会は今後県からの回答を受けて、マスコミ発表などを通じて県民に広く問題点を知らせていく予定だ。

以上