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夏季セミナー基調提案
患者の姿 国に知らせる―歯科訪問診療の現場から―

全国保険医新聞2017年7月15日号より)

 

森元主税副会長

 保団連は7月1、2日に都内で第47回夏季セミナーを開催。48の保険医協会・医会から412人が参加した。副会長の森元主税氏(写真)は基調提案で、歯科訪問診療の経験を基に医療、介護の充実を呼び掛けた。

 

 森元氏は、通院困難な要介護の高齢患者が増える中、訪問診療の必要性が高まってくると指摘。自身の歯科訪問診療の取り組みを紹介した。訪問先では、虫歯や歯周病治療などに加えて、「患者の食事を通じて生活をみる」ことが重要と強調した。「冷蔵庫に食パンや甘い飲み物しか入っていなかったり、食事が宅配弁当ばかりの患者もいる」「経済的な困窮と共に、孤独から『心の貧困』に陥る高齢者の実態が見える」と述べた。「高齢者にとって食べる楽しみは大きなもの」と話し、「食べる楽しみを支える訪問診療を通じて、歯科医師としての喜びを噛みしめている」と語った。

 

訪問診療続けられるか

 その上で森元氏は、政府が進める「経済・財政再生計画」のもとで、国民皆保険が空洞化すれば「これまでの訪問診療が可能か不安」と訴えた。政府は現在、医療、介護分野で患者・利用者負担増や都道府県による医療・介護給付費抑制などを進めている。また、この間診療報酬のマイナス改定や歯科医療の抑制が続いている。
 森元氏は、患者の実態を国に知らせることが必要として、国会行動や署名の取り組みの大切さを強調。同時に医療従事者の技術を評価し、医療施設の基盤強化のためにも10%以上の診療報酬引き上げが必要だと訴えた。

 夏季セミナーではこの他に毎日新聞社特別編集委員の岸井成格氏による記念講演「政権と報道の自由の関係」、医療電子情報化をテーマとするシンポジウムなど多彩な企画を通じて、医療・社会保障、国民生活改善の課題を探った。

以上