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【税務調査の要点チェック】C
―「質問応答記録書」は作らせない―

全国保険医新聞2017年9月5日号より)

 

 保団連各ブロックでは定期的に会員への税務調査アンケートを実施し、税務行政の改善を求め国税局と交渉・懇談をしている。税務調査で注意すべきポイントなどを解説する(5回連載)。

 

 税務調査の際に調査官から「質問応答記録書」(以下「記録書」)作成への協力を求められることがある。税務調査では従来から「聴聞書」などとして同様の文書が作成されていたが、税務訴訟の増加を背景に全国共通で作成するよう国税庁が通達を出して導入された。法令に基づくものではなく、任意に作成される行政文書であり作成に協力する義務はない。
情報開示により明らかになった調査官向けの「作成の手引」によると、「記録書」は課税処分に対する「不服申立て等においても証拠資料として用いる」とされている。納税者の証言により課税する際に、その証拠を確保するためのものだ。作成される場面としては、反面調査先との回答の齟齬がある場合などが例示されている。また、調査で重点的にチェックされる家事経費との按分や青色専従者給与の否認においても利用されることが考えられる。
文書の取り扱いにも問題がある。「記録書」は納税者に対し写しも交付されない。書面を確認するためには情報開示請求の手続が必要となる。また、署名・捺印後は訂正や削除を申し立てても認められない。
あくまで任意の文書であり、応じないことによる罰則も不利益もない。作成への協力はきっぱりと拒否し、署名・捺印は必ず断るようにしたい。
納税者にとって重大な不利益につながり得るものであり、保団連は国税庁に対して「記録書」の作成中止を求める要望書を提出している。

以上