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【税務調査の要点チェック】D(最終回)
―納税者の権利守る税務行政を―

全国保険医新聞2017年9月25日号より)

 

 保団連各ブロックでは定期的に会員への税務調査アンケートを実施し、税務行政の改善を求め国税局と交渉・懇談をしている。税務調査で注意すべきポイントなどを解説する(5回連載)。

 

 2017年度税制改正では「国税犯則取締法(国犯法)」が廃止され、内容を改正した上、「国税通則法(通則法)」に編入された。「国犯法」はその名の通り、脱税など犯罪を取り締まるための法律だ。
 「通則法」に基づく税務調査は、納税者の理解と協力のもと申告内容が適正かどうかを確認し必要に応じて是正するものだが、「国犯法」に基づく査察は「刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正公平な課税の実現」(国税庁)を目的とする強制調査で、目的も性質もまったく異なる。「国犯法」を「通則法」に編入するにあたり、任意調査である税務調査と、刑事処罰の立証を念頭に置いた犯則調査の境目が曖昧になると危惧する指摘があり、国会でも問題となった。麻生財務大臣は国会答弁で「(任意調査と犯則調査を)履き違えぬことを調査、指導する」としているが、現状でも無予告調査などをはじめ強権的な任意調査が行われている実態もあり、今後の動向に注意が必要だ。
 改正内容について特に大きな問題は、虚偽の申告などを「煽動した者」に対する「煽動罪」の規定を「通則法」に組み込んだことだ。「脱税か適正に税負担を軽くする節税かの境目は曖昧」、「収入の申告の前段階で処罰されかねないとなれば、税理士活動は萎縮する」と指摘する専門家の声も報道されている。
 また、多くの世論の反対を押し切って「共謀罪」法が強行に成立させられた。共謀罪の対象には消費税法や所得税法、法人税法などの租税法も含まれる。注視が必要だ。
 納税者の権利を明確にし、納税者の立場に立った税務行政の改善が求められる情勢だ。保団連は引き続き、税務調査の現場で会員の権利を守る活動を進めるとともに、「納税者権利憲章」制定の運動など、税制・税務行政の改善のための活動を進める。

以上