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薬価制度の改善を―厚労省に要請―

全国保険医新聞2017年10月5日号より)

 

 

 保団連は9月13日、薬価制度改善を求めて厚労省に要請した。保団連会長の住江憲勇氏、理事の竹田智雄氏などが参加した。2018年度薬価制度改定に向け、12月に抜本改革の「骨子取りまとめ」が予定される中、保団連は新薬の高薬価構造の是正に向けて、薬価算定過程の透明化、新薬創出加算の廃止、中間年改定は実施しないなど11項目を要望した。

 

審議過程の透明化を

 オプジーボに象徴されるような外国と比べて異常に高い薬価算定や、臨床試験での比較薬と薬価算定時の基準となる類似薬が異なるなど不透明な算定ケースが見受けられる。
 保団連は、薬価算定案を作成する「薬価算定組織」の審議内容・資料の公開などを強く求めた。
 厚労省は、「機密性の高い情報を扱うため非公開はやむを得ない」とする一方、「原価計算に際して、原末(製造加工前の有効成分)を輸入する場合、薬価算定組織にも製造経費等が明確に示されない場合がある」として、「薬価算定組織に製造経費等が明確に示された場合には、薬価をより評価するという形で薬価算定の正確性・透明性を向上させたい」とした。保団連は、原価計算で既に突出して高い営業利益が保証されておりさらなる評価は論外として、「無条件で中医協などに公開すべき」と要望した。

 

新薬加算は即時廃止を

 薬価収載後、実勢価格の値下がり幅が小さいなどの条件を満たす新薬は後発品が販売されるまでなどの間、新薬創出加算によって当初薬価が維持される。研究開発費を早期回収し創薬を加速するなどとされているが、薬価高止まりの大きな要因となっている。
 保団連は、「最大手など主要製薬企業5社で内部留保は4兆円以上に及び、創薬体力は十分にある。即時廃止すべき」と求めた。
 厚労省担当者は、後発品販売後などで薬価は加算の累積分が引き下げとなるため「財政中立であり、利益の追加ではない」との認識を示した。保団連は「前倒しで回収できること自体が優遇だ。特許切れ後も同規模で販売されていることはなく、財政中立かどうかも疑問」と主張。重ねて「研究開発コストは税制などでも対応済み。患者に転嫁することは認められない」と指摘した。

 

外国価格の適正把握を

 先進国の価格と著しく乖離しないよう調整する外国平均価格調整について、保団連は「参照する価格リストが、英独仏は薬局マージンを含み、米国は企業の希望小売価格となっている。日本の価格と適切に比較するには、マージンを除外することや実勢価格を採用するなど補正が必要」と指摘した。
 厚労省担当者は「マージンの議論はこれまでにもあった」と述べつつ、「外国価格の正確な把握は困難で、公表された価格リストから選ぶ形にならざるをえない」との認識を示した。また「中医協では米国価格は外すべきとの強い意見もあり、価格リストを変える方向で審議が進んでいる」とした。保団連から「是正に向けて議論をしっかり詰めてほしい」と要望した。

 

中間年改定は実施不要

 全品の薬価調査を行った上、実勢価格の値下がりが大きい品目を改定する中間年改定が導入される。後発品・長期収載品中心に改定され財政効果は限られる事態が予想される一方、医療機関には調査負担が強いられかねない。
 保団連は「中間年改定は実施しない」、「仮に実施する場合、医療現場の負担増にならない」よう強く求めた。厚労省は「負担の軽減は考慮されるべき」との認識を示した。
 最後に、保団連から「医療機関は多剤投与、重複投薬の是正、残薬の解消など懸命に取り組んでいる。下げられた薬価は技術料に充ててほしい」と改定財源確保を強く要請した。

以上