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【歯科技工所アンケートを読む】第1回 長時間労働

全国保険医新聞2017年11月5日号より)

 

 

 保団連は昨年、歯科技工所アンケートを実施した。全歯科技工所の約12%にあたる2,454件から回答を得た。国内でこれ程の規模の歯科技工所調査は前例がないと思われる。17項目の質問と自由意見欄からなり意見の記入は1,266件に及んでいる。2016年衛生行政報告例では歯科技工所数2万906件。この内ワンマンラボと言われる一人経営の歯科技工所は1万6,091件と約77%を占めている。回答もワンマンラボからが多い。
 1970年頃から歯科技工所の開設が進み、委託技工が増加するようになって以降、歯科技工士の労働・生活実態は厳しさを増している。歯科診療を支える歯科医師のパートナーであり、アンケート結果からはこれ以上この問題を放置することができないと痛感する。原因は収入が低劣で、勤務時間が異常に長いことにある。
 その根底には委託技工料問題、いわゆる「7対3」大臣告示が問題として横たわっている(※)。これらの問題に光を当て、認識を深め、改善していくことが求められる。
 今号からアンケート結果について6回連載で紹介する。アンケート結果は保団連ホームページの「歯科のページ」で公開している。

 

過労死レベルが半数近く

 1日8時間、月25日を基本的労働日(週休1日)とすると、過労死レベルと言われる1カ月80時間以上残業に達する一週間の労働時間は48+19.2時間=67.2時間だ。近い区分で言うと71時間以上の区分で少なくとも約47.5%の歯科技工士が過労死レベルで仕事をしている。月200時間以上に達するのは、週48+48時間=96時間、近い区分では101時間以上の区分だ。少なくとも10.2%いることがわかる。
 電通、NHK等さまざまな領域で過労による自死が起きているが、10%近い技工士がそのレベルで仕事をしていることは放置できない。休みも半数が週1日であるが、約3割の歯科技工士はほとんど取れないでいる。
 自由意見には「長時間労働ですべてを犠牲にしている」「自分の子供には技工士をさせたくありません。大変だから(低賃金長時間労働)」などの声が寄せられた。


※1988年厚生省告示165号において歯科点数表の「歯冠修復及び欠損補綴」通則5に「歯冠修復及び欠損補綴料には、製作技工に要する費用及び製作管理に要する費用が含まれ、その割合は、製作技工に要する費用がおおむね100分の70、製作管理に要する費用がおおむね100分の30である」とした。その後「外部委託をするに当たって個々の当事者を拘束するものではない」との疑義解釈が出され、実際の運用は当事者間の話し合いに委ねられている。

以上