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患者と探る歯科感染対策
―診療報酬評価、教育など課題に―

全国保険医新聞2017年11月25日号より)

 

 

 「『歯科の感染対策』を考えるシンポジウム―より安全・安心な医療を目指して」が11月5日福岡市内で開催され、医療関係者や患者ら110人が参加した。B型肝炎九州訴訟原告団と弁護団が主催。福岡歯科、東京歯科の両協会が共催し、保団連も協賛した。

 

 1948年以降、乳幼児期に国が実施する予防接種を受けた際、注射器が連続使用され40万人以上がB型肝炎ウイルスに感染した。感染事故の被害者らは、国の責任に基づく損害賠償等を求めて訴訟を起こし、2008年からは被害者全体の救済を求めて全国10地裁で争った。11年に国の責任を認め賠償金の支払いなどを定めた基本合意が結ばれている。
 原告団の田中義信代表は基調報告で、『読売』のタービン“使い回し”報道に触れながら、医療行為による感染事故が繰り返されないことを祈っていると訴えた。また、肝炎やHIVの感染者が医療機関で診療を断られる差別があったとし、原告として「差別や偏見を招かないためにも標準予防策が実施されることを望んでいる」と語った。

 歯科医師の立場から基調報告した東京歯科協会の濱ア啓吾理事は、歯科診療では鋭利な器具が使用されることが多く出血を伴いやすいとして、高い水準の感染対策が求められると強調した。
 歯科医師を対象にした厚生労働科学研究の調査では、院内感染症防止に必要な対策として、回答者の約7割が「医療従事者に対する研修の充実」を、8割以上が「診療報酬上の評価」が必要であると答えていることを紹介し、教育や啓発と診療報酬による評価を課題として指摘した。

 福岡歯科協会の浦川修副会長はパネルディスカッションの中で、診療報酬での感染対策評価について分析し、▽初再診料では賄えないという調査がある▽「感染予防対策管理料」は病院歯科だけが対象▽「外来環(歯科外来診療環境体制加算)」は感染対策に留まらない診療環境整備などを評価したもの―と整理。診療所での感染対策を独自に評価する点数の具体化が必要だと強調した。
 パネルディスカッションではこの他、行政、患者の立場から発言があった。

以上