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質問応答記録書の作成中止を
―四国・東北ブロック 国税局と懇談―

全国保険医新聞2017年12月5日号より)

 

 

 税務行政の改善を求めて、保団連四国ブロックと東北ブロックは所管の国税局と懇談した。各ブロックの調査では、税務調査の1割強で医療機関が「質問応答記録書」(下部解説参照)に署名・押印していると推定される。課税処分のための証拠として作成される記録書作成は断ることが重要だ。

 

引き続きカルテ開示ゼロを―四国ブロック

 四国ブロックは10月12日、高松国税局と懇談。保団連の納田一徳理事をはじめ協会役員ら10人が参加した。
 四国ブロックは、「四国の開業医アンケート調査結果では、カルテ提示・閲覧の求めはゼロ」と評価する一方、「持ち帰りの求めが1件あった」と指摘し、さらなる改善を求めた。国税局は「カルテは帳簿書類の一部」とし、「必要があれば見る」との姿勢を示した。
 また、四国ブロックは「質問応答記録書」の作成を中止するよう要望。「刑法犯を前提にする『供述調書を参考に作成する』と聞いている。任意の税務調査でこうした書類を作り、納税者の署名・押印を求める必要があるのか」と疑問を呈した。国税局は「署名・押印しない人もいる。その場合は『断られた』旨を記載する」とし、記録書作成は続ける姿勢を示した。ブロックは「納税者に対し調査時の録音は認めないとする一方、税務署側には証拠になり得る物件が残るのは一方的だ」と指摘した。

 

作成数把握せず―東北ブロック

 東北ブロックは10月26日、仙台国税局と懇談。保団連の森明彦理事はじめ協会役員ら13人が参加した。
東北ブロックは、事前通知は書面で行うよう要望。「調査官が使用するチェックリストを基に作成した書面を納税者に送付すればよい」と具体的に提案した。国税局が「納税者に伝える項目はより詳細なため様式上一致しない」などと答えたのに対して、東北ブロックは「様式は工夫すればよい」と指摘。通知項目が納税者に十分伝わるよう改善すべきと求めた。
 また、ブロックは「質問応答記録書」の作成状況について質問。国税局は「作成数は把握していない」とし、「記録書は任意に作成しているもの」と説明した。ブロックは「納税者は『作成への協力が任意である』ことは知らない。調査官が任意に作成するなら、納税者に署名・押印を求める必要もない」と指摘し、作成の中止を強く求めた。


【質問応答記録書】

 2013年6月、国税庁は国税局に対して税務調査の際に、全国統一様式の「質問応答記録書」を作成するよう指示している。情報開示された国税庁資料によれば、「(警察・検察等)にて作成する供述調書等を参考として作成している」としており、課税処分や不服申立て等で課税当局に有利な証拠資料として用いることを想定している。
 例えば、調査官に売上金の記帳もれを指摘された場合、調査官が強い立場を生かして「記録書」を重加算税等を課すのに都合のよいように作成し、訴訟になった場合は納税者が自白した証拠として利用しようというもの。所得税はじめ各種調査で多用されている。法律上の位置付けはなく、作成は調査官の任意で、納税者が作成への協力や署名・押印を断っても不利益や罰則はない。
 保団連は作成中止を国税庁に申し入れている。

以上