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インフルワクチン不足が深刻、協会調査 「足りない」74%
―原因究明と安定供給を 厚労省に要請―

全国保険医新聞2017年12月15日号より)

 

 

大阪協会の調査より

 インフルエンザの流行シーズンに入る中、医療機関ではワクチンの供給遅れによる不足が深刻だ。大阪協会の調査では回答した医療機関の74%(図)、東京協会の調査でも65%で不足していることが分かった。全国保険医団体連合会は12月7日に両協会と共に、ワクチン不足を解消し、国の責任で原因究明と安定供給体制を構築するよう厚労省に要請。NHKや民放のニュース番組でも報じられた。

 

現場が混乱

 大阪協会が11月末に行った調査では回答した医療機関の8割近くが例年どおりに接種できていないと答えた。東京協会の10月の調査でも同様の回答が7割近くに上っていた。両調査とも接種希望者への対応では、▽普段診ている患者を優先し新規希望者を断る▽定期接種の高齢者を優先する―が目立った。「入荷の見通しが立たず予約システムを停止させた。予約があった患者一人ひとりに断りの電話を入れた」など医療機関が混乱している実態も寄せられた。
この日の要請で厚労省は、12月末にワクチン供給が必要量に達するとの見通しを示した。東京協会の吉田章副会長は要請後のマスコミとの懇談で「通常はシーズン前には打ち終わっている」と話し、「インフルエンザワクチンは効果が出るまで2週間ほどかかる。12月末では遅すぎる」と指摘した。

 

余裕ある製造必要

 今冬は11月初旬でもインフルエンザワクチンの製造量予定量は昨年の使用量2642万本に届いていなかった。ワクチン製造に使う株の決定が例年より遅れ、メーカーの製造開始に影響したことなどが原因とされる。また、ワクチンの製造量は14年から減り始め、使用量を上回っていた部分が急速に縮小していた。
 東京協会の竹ア三立理事はマスコミとの懇談で、「医療機関では急な需要に応えるためにワクチンの在庫を確保しなければならず、製造量にも余裕を見込む必要がある」と強調した。竹ア氏は「インフルエンザは季節性のもの。医療機関では一定量残ったワクチンを返品せざるを得ないが、営利企業であるメーカーなどが負担を被る現状では製造量を抑えることにつながる」とし、「製造された分は国が買い取って医療機関に配分し廃棄にも責任を持つなどの対応が必要ではないか」と問題提起した。
 保団連の高本英司副会長は「ワクチン不足は今回だけの問題ではない。昨年から今年にかけてMR(麻しん風しん混合)、日本脳炎でもワクチン不足が生じた。原因究明と供給体制の抜本改善がない限り再発しかねない」と訴えた。

以上