2019・No.1286
月刊保団連 1
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巻頭写真特集
写真で振り返る保団連50年のあゆみ
「道」
硬軟とりまぜ幅広く、さらに充実した誌面へ
宇都宮 健弘
特集
保団連結成50周年
 国民皆保険とともに歩む
保団連50周年記念座談会
  半世紀の試練を経た保団連の歴史と未来

 2019年1月26日、全国保険医団体連合会は結成から50周年を迎える。加盟する協会・医会の会員は全国で10万7千人に上り、全国の、そして各地域の医療・福祉に対する社会的影響力も拡大している。
 保団連がここに至った理由は、どこにあるのか。何を目指し、何を乗り越え、そして何を勝ち取ってきたのか、また残された課題は何なのか—。
 座談会では、保団連の50年にわたる活動の成果と教訓を確認し、歴史を共有するとともに、現在の情勢を見据えた上で、次の時代への課題と展望を語った。

伊藤 真、 住江憲勇、 宇佐美 宏、 斎藤みち子、 竹田智雄、 司会:中 重治
保団連結成から50年、10万7千人の組織へ

 全国保険医団体連合会結成から50年を迎え、約10万7000人の組織に成長した。保団連の発展はただ会員が増えるということではない。
会員の要求・要望に真摯に耳を傾け、国民とともに、誰にとっても住みやすい社会保障が充実した豊かな未来をつくること、医師・歯科医師として誇りを持って仕事に従事できる社会を実現することである。
 自由闊達な討議・意見を尊重し、それぞれの得意分野で活動をするという、世界にまれな医科・歯科一体の保険医組織を育てていきたい。

高本 英司
国民医療・診療報酬の改善に全力 待合室から国政へ
 保団連は結成から50年が経過し、大きく発展して社会的な存在感も影響力も大きくなってきた。会員の経営と権利を守り、国民医療の向上を目指す団体として、医療・社会保障の改善、診療報酬改善の取り組みは最も重要な活動の一つである。本稿では、この20 年間を中心に、医療・社会保障をめぐる情勢の特徴と、保団連の主な取り組みを振り返るとともに、運動体として私たちが常に忘れてはならない原点について述べる。
武村 義人
保団連歯科医療運動のあゆみ
 1995 年から現在まで二十余年の保団連歯科医療運動は、まさに歯科の低医療費政策との闘いの歴史であった。国民医療費全体における歯科医療費の割合は減少を続けている。これに対し、私たちは各種調査や政策提言などを発表し、世論の支持を受けて歯科行政を動かす成果を生み出してきた。本稿では、保団連結成40 周年以降の10年間を中心に、歯科医療運動の歩みを振り返る。
森元 主税
医科歯科一体への道のりと未来への展望

 保団連は当初から医科・歯科が同じ組織として発足した、世界でもまれな存在である。
 近年、口腔疾患と全身の健康との密接な関係が次々と明らかになり、医科歯科連携の重要性が認められているが、その点でも保団連の先見性には目を見張るものがある。
 本稿では、保団連の医科歯科一体方針をめぐる歴史をたどり、今日に続く課題と、未来への展望を探る。

宇佐美 宏
災害支援と保団連

 阪神淡路大震災や東日本大震災では、多くの命が失われるとともに、住民の命と健康を支える医療機関も多大な被害を被った。保団連は被災住民や被災医療機関の支援を行うとともに、住民の生活再建のためのさまざまな制度的補償を求めて運動をしてきた。重要な成果も勝ち取られ、その後の災害復興の力になったが、まだ不十分な点も多い。継続した運動が今後とも必要である。

加藤 擁一
会員と地域医療を支える自主共済
 —守り抜いた7年間の軌跡
 保団連共済50年の歴史の中で、自主共済を守る運動は、一度決定された法律を変えさせたという点でも、会員の中に保団連の休業保障(休保)制度が根付いていることが示されたという点でも、特筆すべき出来事だった。
 本稿では、診療継続のために休保が果たしてきた役割を再確認し、認可特定
保険業者に至る道筋を報告する。
森 明彦
核兵器禁止条約とICANノーベル平和賞受賞

 2017年7月、国連で核兵器禁止条約が採択され、条約成立に大きく貢献した国際NGO・ICANがノーベル平和賞を受賞した。保団連が事務局団体を務める「核戦争に反対する医師の会(PANW)」は、2007年からICANに加わり、日本での活動に協力してきた。本稿では、条約成立の経緯や意義、医療関係者が果たした役割と、今後の活動について述べる。

松井 和夫
〈年表〉医療制度と保団連の主な動き
会員
ドクターのつぶやき川柳
〈選者〉 植竹団扇
詰碁・詰将棋
VOICE
―11月号を読んで―
編集後記・次号のご案内