2019年1月26日、全国保険医団体連合会は結成から50周年を迎える。加盟する協会・医会の会員は全国で10万7千人に上り、全国の、そして各地域の医療・福祉に対する社会的影響力も拡大している。
保団連がここに至った理由は、どこにあるのか。何を目指し、何を乗り越え、そして何を勝ち取ってきたのか、また残された課題は何なのか—。
座談会では、保団連の50年にわたる活動の成果と教訓を確認し、歴史を共有するとともに、現在の情勢を見据えた上で、次の時代への課題と展望を語った。
全国保険医団体連合会結成から50年を迎え、約10万7000人の組織に成長した。保団連の発展はただ会員が増えるということではない。
会員の要求・要望に真摯に耳を傾け、国民とともに、誰にとっても住みやすい社会保障が充実した豊かな未来をつくること、医師・歯科医師として誇りを持って仕事に従事できる社会を実現することである。
自由闊達な討議・意見を尊重し、それぞれの得意分野で活動をするという、世界にまれな医科・歯科一体の保険医組織を育てていきたい。
保団連は当初から医科・歯科が同じ組織として発足した、世界でもまれな存在である。
近年、口腔疾患と全身の健康との密接な関係が次々と明らかになり、医科歯科連携の重要性が認められているが、その点でも保団連の先見性には目を見張るものがある。
本稿では、保団連の医科歯科一体方針をめぐる歴史をたどり、今日に続く課題と、未来への展望を探る。
阪神淡路大震災や東日本大震災では、多くの命が失われるとともに、住民の命と健康を支える医療機関も多大な被害を被った。保団連は被災住民や被災医療機関の支援を行うとともに、住民の生活再建のためのさまざまな制度的補償を求めて運動をしてきた。重要な成果も勝ち取られ、その後の災害復興の力になったが、まだ不十分な点も多い。継続した運動が今後とも必要である。
2017年7月、国連で核兵器禁止条約が採択され、条約成立に大きく貢献した国際NGO・ICANがノーベル平和賞を受賞した。保団連が事務局団体を務める「核戦争に反対する医師の会(PANW)」は、2007年からICANに加わり、日本での活動に協力してきた。本稿では、条約成立の経緯や意義、医療関係者が果たした役割と、今後の活動について述べる。