2020・No.1311
月刊保団連 2
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「道」
専門サービスにおける「生産性」の罠
鈴木謙介
特集
歯科医療費の総枠拡大に向けて
医科・歯科格差はなぜ広がったのか
歯科医療費抑制策の実態
●歯科医師の数は総医師数の3割を占めるのにもかかわらず、公的歯科医療費の総医療費に占めるシェアはわずか7%にすぎない。今、医療全体の中で歯科医療の重要性が認識されてきているのにもかかわらず、歯科医療費抑制策が続いているため、歯科医療を提供する上で大きな困難が生じている。本稿では、このような歯科医療費抑制策が形づくられた経緯を振り返ると同時に、それに対する保団連の運動成果を確認し、歯科医療費の総枠拡大への機運が高まりつつあることを述べる。
宇佐美宏
病気の予防・治療に欠かせない良好な口腔環境
国民の健康増進のために医療費の拡大を
●口腔の疾患、う蝕、歯周疾患の結果によって生じる歯の欠損の修復・補綴は健康を保つ上で大きな役割を果たしている。本稿では、食べることが普遍的で根源的な基本的人権であることを改めて確認するとともに、感染源としての口腔、慢性炎症巣としての口腔、栄養摂取を支える口腔、咬むこと、話すことなどがいかに健康にとって大きな役割を果たしているかを示した。そこから医科歯科の連携についても考え、国民の健康増進のためには医療費の大幅な引き上げが必要であることを述べる。
馬場 淳
子どもの咬合異常の治療への保険適用にむけて
──課題と展望
●将来に系統する健康への出発点である子どもの歯・口腔の健康は発育期における顎・顔面の骨格形成や咀嚼等、健康を維持・増進のため良好な状態に保持される必要がある。しかしながら、学校歯科健診で疾患として指摘された咬合異常は、厚生労働大臣の定めた疾患以外は、学校保健安全法による健診の指示に従い受診しても、保険適用外治療のため費用の負担が高額なことから「診察」に止まり治療に至らないケースが多い。咬合異常の治療への保険適用にむけて課題と展望を考察した。
宮沢裕夫
歯科技工士の過酷な労働実態と歯科医療の危機
●歯科技工士は長時間労働と低賃金を余儀なくされており、その過酷な労働実態から若手が減少し、技工士の高齢化が急速に進んでいる。このように日本の歯科技工が危機的な状況に陥った背景には、歯科技工料とその原資となる歯科診療報酬の低さ、また、技術料や材料の保険償還価格の決定プロセスにおける問題などがある。国民の健康と長寿を支える歯科医療への期待が高まる中、より良い歯科医療を実現するためにも、歯科医師と歯科技工士は一致して運動に取り組み、危機的な状況を打開する必要がある。
池 潤
歯科技工士と歯科医師、腹を割って話せる関係に
雨松真希人
歯科衛生士養成学校生就労意識調査の概要
保団連地域医療対策部
論考
受診できない子どもたち
「全国学校健診後治療調査」より
全国保険医団体連合会
診療研究
新型タバコと改正健康増進法
第2回 抜け穴だらけの改正健康増進法
●健康増進法は受動喫煙防止をいっそう図るため、努力義務から罰則付きに改正された。しかし飲食店では喫煙室設置が認められ、加熱式タバコ専用喫煙室では飲食も認められるなど、受動喫煙防止には全く不充分である。さらに、既存飲食店のうち小規模の場合は表示をすれば屋内喫煙可までも選択できるようになっている。改正健康増進法は、東京五輪・パラリンピックに間に合わせるために妥協を重ねて成立した未熟な法律だ。世界で通用する法律になるよう今後さらなる改正が求められる。
加藤正隆
文化
江戸のお医者さん
第2回 江戸時代の医療の実態
●江戸時代の医者は、いわゆる御殿医と町医者に大別できる。前者はほとんどがそれなりの家柄の世襲であったが、後者に何らの資格も要求されなかったから、まさに玉石混交であった。
●医者が急速に増加していく中で、専門分化も進行していった。
笠原 浩
Q&Aシリーズ
経営・税務誌上相談 473
災害で自宅が被災した場合の控除や減免について
益子良一
雇用問題 217
厚生年金は必ず加入しなければならないのか
曽我 浩
会員
ドクターのつぶやき川柳
〈選者〉植竹団扇
本棚
VOICE
─12月号を読んで─
詰碁・詰将棋
編集後記・次号のご案内