再エネ開発は本当に限界なのか
送電線の「空き容量」とベースロード市場の問題
竹村英明
●近年、がん治療の多くが外来で行われるようになり、副作用の初期対応を地域医療が担ったり、がん治療中の患者が地域のかかりつけ医を受診するケースも増えてきた。がん治療には直接関わらない場合でも、副作用等を考慮した対応や、がん専門医が見落としがちな非がん疾患の発見など、患者に最も近いところで伴走する地域医療の役割は大きい。
●特集では、一般臨床医が知っておくべきがん治療の知識や、隠れた不調を見極める「問診術」、地域で支える切れ目のないがん治療の実践を紹介する。
プライマリーケアが支えるがん治療
●がん患者やサバイバーは増加傾向にあり、がん患者さんがたどる道のり(patient journey)をサポートするには、がん専門医だけでなくプライマリーケア医の役割が重要になってきている。放射線治療や化学療法は外来通院で行われることが多くなっており、がん自体や副作用による症状を地域で対応することが必要である。プライマリーケアの現場で使えるがんの支持療法も豊富にあり、多くの場合に初期対応が可能である。がん専門医とプライマリーケア医が連携し、地域でがん治療を支えることが期待される。
公平 誠
おさらい!問診術
──がん治療患者の不調を見極める
●適切な問診は診断に重要であり、効果的な問診を行えば70%の診断がつくとさえ言われることもある。通常、問診事項では「主訴・症候」「患者背景」「症状の経過や増悪・寛解因子」等を聴取するが、これは、がん患者でも同様である。がん治療患者で異なるのは、「患者背景」の内容にあるだろう。
●がん治療患者の診療では、がん特有の患者背景を把握することで、より質の高い医療が提供できると考える。症例を見ながら、われわれ非がん治療医が問診時に「患者背景」をどのように整理できるかについてまとめる。
寺田教彦
がんロコモへのアプローチ
──整形外科医が支えるがん診療
●日本整形外科学会が2018年度に提唱した「がんロコモ」について概説する。高齢社会において、がんの増加とともに運動器疾患も増えており、がんと共存しながらADLを維持しQOLを保つために、整形外科医が貢献できることは多い。多職種による横断的診療体制の構築や地域連携により、骨転移などの見逃しを防いだり、患者が自ら移動できる力を保持することで、治療の継続や患者の尊厳を保つことにつながる。
木辰哉
がん患者の治療と生活を口腔から支える
●がん患者はその治療の流れの中で、治療に関連する口腔の有害事象が少なくない頻度で発症し、また今まで症状が無く放置されていた歯性病巣の問題が顕在化することが数多くある。がん患者の治療と生活を支える一助として、口腔内の感染制御・疼痛緩和のための口腔ケアは有効な治療戦略である。特にがん治療開始前に歯科によるチェックとケアを受けておくことの重要性はがん医療の現場でコンセンサスを得つつある。
上野尚雄
がん地域連携パス、レジメン情報提供書による病診・薬薬連携の取り組み
●第1期がん対策推進基本計画の下、2007年よりがん診療連携拠点病院を中心にがん地域連携クリティカルパス(連携パス)の整備が開始された。大分県東部医療圏の国立病院機構別府医療センターでは、2012年4月から連携パスの運用を開始し、胃癌51例、大腸癌44例、肺癌46例、乳癌5例、前立腺癌7例の合計153例に連携パスを導入し、当医療圏を中心に圏外も含め61施設と連携を行っている。また、外来化学療法におけるレジメンパスシートやレジメン提供書を用いた薬薬連携についても報告する。
川中博文
2つの医師殺害事件が問いかけるもの
●2021年12月に大阪市のビルクリニックで医師ら26人が死亡した放火殺人事件が起き、その約1カ月後に埼玉県ふじみ野市で、医師が散弾銃で撃たれて殺害される事件が発生した。相次いで起きた医師殺害事件から何が見えるのか。共通する背景と、従来の患者トラブルとは異なる加害者像について解説する。いま、「応召義務」への突き詰めた理解が必要だ。
尾内康彦
学校アスベスト「なし」の信頼性に疑問符
──兵庫協会が調査
上田進久
新型タバコ時代の禁煙・禁煙支援
第3回 疫学研究の歴史が明らかにする健康影響
●新型タバコから発生するエアロゾルは、単なる水蒸気ではない。加熱式タバコでも、紙巻タバコとほとんど変わらないレベルのニコチンが摂取されるため、紙巻タバコから加熱式タバコにスイッチしても、ニコチン依存は維持される。先行研究等の情報を総合して、加熱式タバコを吸っている人のリスクは、紙巻タバコよりも低いとは言えない。
田淵貴大
高齢化とコロナ禍で急増する歯根面のトラブル
〜最新の知識と対処法〜
冨士谷盛興
雑草の生存戦略から学ぶ
弱者とはずれ者たちのしたたかな知恵
第2回 ナズナ、スズメノカタビラ、ハルジオン
●予測不能な時代と言われます。そんな時代に、私たちはどのように生きれば良いのでしょうか。実は、予測不能な環境を得意としているものがあります。それこそが雑草です。抜かれたり、踏まれたりして生きる雑草は、明日何が起こるか分からない危険な環境を生きています。そんな雑草の生き方から、リスクを想定し、うまく乗り越える術(すべ)を学びます。今回は、ナズナ、スズメノカタビラ、ハルジオンを紹介します。
稲垣真衣
経営・税務誌上相談 499
土地を贈与する場合の課税関係
益子良一
雇用問題 243
患者からの暴力で負傷した場合、治療費はどうなるのか
曽我 浩