【抗議談話】アメリカによる臨界前核実験の実施に抗議する

※全国保険医団体連合会では、アメリカの臨界前核実験に対し下記の抗議談話を発表し、マスコミ各社に送付しました。(PDF版はこちら[PDF:302KB])

2022年4月18日
全国保険医団体連合会
非核平和部長
永瀬 勉

 

アメリカのバイデン政権が、昨年6月22日と9月16日の2回にわたって西ネバダ州において、臨界前核実験を行っていたことが明らかとなった。今回の実験は、トランプ政権時代に実施された臨界前核実験に続いて行われたものといわれており、合計3回の実験によって核兵器の近代化、開発をすすめるものといわれている。

今回の実験は、被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める世界の人々の願いを踏みにじるものであり、厳重に抗議する。

現在国際社会は、ロシアによるウクライナ侵攻に併せて核兵器による威嚇が行われ、現実的な核戦争の危機に瀕している。軍事力による暴挙を軍事力で対抗しようとする考えが流布されるなか、核兵器の近代化、開発をさらに推し進めようとすることは断じて許すことが出来ない。

2021年1月22日に被爆者をはじめ核兵器廃絶を求める長年の運動によって核兵器禁止条約が発効され、国際条約として核兵器の開発、保有、使用あるいは使用の威嚇を含むあらゆる活動は例外なく禁止し違法とされた。今回の実験は、核兵器禁止条約発効後に実施されたものであり、核兵器廃絶を求める国際世論への挑発行為である。

アメリカによる臨界前核実験による核兵器の近代化は、あらたな核軍拡を呼び起すものとなり、核兵器廃絶を目指す国際世論に反するものである。アメリカ政府は、ただちに核兵器の近代化計画を中止し、核兵器の廃絶に向けて努力すべきである。

私たちは、命と健康を守る医師・歯科医師として、核兵器廃絶を願うすべての人々と連帯し、核兵器禁止条約に全世界が参加することを強く望むものである。

以上