【決議】軍事費の2倍化を中止し、医療・社会保障の充実を求める

保団連は、第1回保団連代議員会決議を岸田首相、厚労省、マスコミに送付しました。 PDFはこちらから

軍事費の2倍化を中止し、医療・社会保障の充実を求める決議

長引くコロナ禍による国民生活の疲弊に加え、生活必需品も含めた物価高騰が家計を直撃している。2年連続の年金引き下げも重なり、特に高齢者の生活困窮に追い打ちとなっている。この上、医療費窓口負担増が10月に実施されれば、さらなる受診抑制・健康悪化を招くことが強く懸念される。

しかし、岸田政権は、骨太の方針2022において、富の偏在と格差の拡大を招いたアベノミクスを堅持し、医療・社会保障費削減に固執する一方、防衛費倍増を念頭に5年以内に防衛力を抜本的に強化する方針を打ち出した。

「新しい資本主義」実行計画では、新自由主義の弊害を指摘し、「分配」の目詰まり解消を掲げるも、国民所得の向上や非正規処遇改善など「所得再分配」の具体策は皆無であった。格差解消の象徴として岸田首相が総裁選で掲げた「金融所得課税の見直し」は棚上げする一方、国民の預貯金をリスクにさらす「資産所得倍増プラン」を打ち出した。

新自由主義により脆弱化した経済・社会・医療を立て直し、新たな感染症にも対応できるように公衆衛生機能を抜本的に強化するとともに、平時からの余力ある医療提供体制を構築することがコロナ禍の最大の教訓である。無謀な軍備拡大に突き進み、医療・社会保障費抑制に固執し、新自由主義を続ける政治に未来はない。

私たち保険医は7月参議院選挙に向けて、医療・社会保障の充実と国民の暮らし、雇用の安定、平和を希求する立場から下記の要求実現に向けて全力で取り組む。

 

一.10月からの75歳以上の医療費窓口負担2割化を中止すること

一.医療・社会保障を充実させ、診療報酬を大幅に引き上げること

一、社会保障の財源は応能負担原則に基づいて確保し、消費税をただちに5%に減税すること

一.平時から余力のある医療提供体制を構築するとともに、公立・公的病院の病床削減計画を見直すこと

一、患者を医療から遠ざけるリフィル処方箋は中止・撤回すること

一、医療機関等でのオンライン資格確認の義務化、保険者による保険証発行の選択制導入、保険証原則廃止方針は中止・撤回すること

一、歯科材料の金パラ「逆ザヤ」を抜本的に解消すること

一、憲法9条、国連憲章の立場から国際紛争は徹底した外交努力で解決すること。9条改憲、敵基地攻撃能力、核共有など軍拡路線を止めること

 

以上、決議する。

 

2022年6月26日  全国保険医団体連合会 第1回代議員会