「リフィル反対」9割超 大阪協会が調査

健康観察が困難に入力

全国保険医新聞5月25日号より

 22年診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋について、大阪協会が3月に実施した会員意見調査では、356件の回答中9割以上が「導入に反対」と回答。医師による適切な健康管理や処方箋管理への不安などの声が多く寄せられた。概要を紹介する。

定期受診が重要

リフィル処方箋導入の賛否について「反対」74%、「どちらかといえば反対」18%をあわせて、回答した医療機関の9割以上が「リフィル処方」導入に「反対」と回答した。

「リフィル処方」に対する考えを複数回答で尋ねた。「リフィルでは健康状態の観察等が困難」が74%で最多となった。「薬の効果チェック、副作用チェックができなくなる」「通院患者でも、間隔をあけるとコントロール不良になる例がかなりある。月1回の通院加療は必要」など、リフィルによる健康管理の困難さと、定期受診の重要性を指摘する声が寄せられた。
処方箋管理に不安
「患者が適切な処方管理を行えるか不安」との回答が49%寄せられた。「現状でも処方箋の紛失や期限切れになる患者がいる。十分な管理ができるのか疑問」など疑問が出された。また、「改ざんが容易など処方箋書式に不安」との回答が29%も寄せられた。
「医師の管理下にない処方についての責任の所在が問題」「薬局に病名・病状を伝えずに適切な指導ができない」「薬剤師に本来の役割以外に負担を強いるもので、トラブルを生む」などの意見が寄せられた。
医師法20条との 矛盾に憤り
リフィル処方が「無診察処方」となるとの意見も多く寄せられた。「無診察処方を禁じていたのに手のひらを反すようなリフィル処方には反対」「医師の診察が軽んじられている」「リフィルは『無診察投薬』に等しい」など医師法との矛盾に憤りの声が寄せられた。
その他、医療機関の経営面を危惧する声や、医療費抑制ありきの国の方針について怒りを訴える意見も出された。
十分な議論せず導入で問題は山積
リフィル処方は、患者の健康確保、処方箋管理、責任問題、無診察処方を禁じた医師法との整合性など多くの問題点を指摘する声が寄せられた。
リフィル処方箋の導入提案は、中医協でも十分な議論を経たものではなく、大臣折衝の中で突然「分割調剤とは異なる形で」検討する旨が明記された。大阪協会は現在、診療報酬改定後のアンケート調査(リフィル処方、外来感染対策向上加算、オンライン資格確認)を実施しており、近日中に結果を発表する予定だ。

アンケートで寄せられた声

・通院患者でも、間隔をあけるとコントロール不良になる例がかなりある。・患者の健康管理の点で見落としの可能性が非常に高くなる。
・薬局に病名・病状を伝えずに適切な指導ができない。
・慢性疾患のかかりつけは、症状がなくても悪化する疾患も多い。
・受診せず病状が悪化したら誰が責任を取るのか。
・現状でも処方箋の紛失や期限切れになる患者がいる。