現場の声で振り返る 2年半のコロナ政策

全国保険医新聞 2022年6月15日号より

国内で初めての新型コロナウイルス感染症患者が確認されてから2年半。医療現場は患者対応や感染対策に奔走してきたものの、感染の「波」が生じるたびに医療逼迫に陥り、医療機関の経営危機も招いた。これは、医師数抑制や病床削減など、コロナ前からの脆弱な社会保障政策の帰結でもある。これまでのコロナ政策を、医療現場の声とともに振り返る。

医師の写真
感染対策のためガウン、キャップ、ゴーグルを装着し診察する医師(第1波)
歯科医師の写真
感染対策を強化して歯科治療にあたる歯科医師(第1波)

2020年

現場の声

当院(小児科クリニック)3月の収入は前年同月の3割減、4月は同6割減、さらに5月は同7割減まで落ち込んでいる。そこで7月のボーナス支払いのためにも持続化給付金を申請中だ。

(東京協会・細部千晴 本紙20年6月25日号より)

2021年

現場の声

自宅療養中や入院調整中に症状が悪化し呼吸不全となり、救急車を呼んでも、入院先が見つからず、6時間も救急車の中で酸素吸入するということが頻繁に起こっています。深夜までの対応が続き、徹夜で働いている保健師もいます。

(大阪府関係職員労働組合「保健師の声」21年4月20日)

 

陽性になっても入院できない事態が広がっています。ベッドがあってもケアにあたる人員がなければ無理です。五輪に人員をとられています。

(医療従事者・47歳 「医療・介護・保健所の削減やめて!いのちまもる緊急行動 首相への手紙 コロナ禍 私が経験したこと」より)

2022年