ブックタイトル医の倫理

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医の倫理

2青歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題対談木富貴子氏近藤昭二氏司会香山リカ氏香山私は「戦争と医の倫理の検証を進める会」の世話人の一人を務めている関係で、今回の対談の司会を引き受けました。今、2人のジャーナリストの方の話を聞かせていただき、その迫力に皆さんも圧倒されたのではないかと思います。最近こういった形の報道はされにくくなってきていると思いますが、ちょっとお伝えしますと、つい先日、NHKのアナウンサーを勤められていたフリージャーナリストの堀潤さんがこの問題に非常に関心を持たれ、検証を進める会に取材に来られました。そうした若いジャーナリストが今でもいるということを頼もしく思う一方、残念ながら社会全体では、こういった踏み込んだ報道調査はなかなかされにくくなっているのが現状です。そうした視点も踏まえながらお話をしていただけたらと思います。まず近藤さんに伺います。青木さんのご講演をお聞きになられて何かお感じになったことはありましたか?近藤731部隊員の戦後について詳しくお話くださいましたが、あれは昔話ではなく、現状に通底しているということを一番強く感じました。ふと思ったのは、ひょっとすると731の問題についても資料の公開について日米の間に密約が存在しているのではないかということです。アメリカ側の問題として、死の行進で有名なフィリピンのバタアンおよびコレヒドールで収監された捕虜たちが、満州の奉天に連れて行かれて収容されているんですね。そこに731部隊の連中が来て人体実験をやったというアメリカ兵たちの訴えがあるのです。議会で公聴会も開かれたくらいですが、この問題の一番重要な部分の記録を開示するとアメリカでも問題になってくる。もちろん日本では未だに「記録は確認中です」という状態です。その辺りが資料公開の大きな障害になっている気がしますね。青木日本政府は全く出していませんが、目黒の防衛研究所ですか、あそこに資料を置くとなかなか出なくなってしまうという資料もありましたね。あれは何の資料でしたか?近藤現在「731部隊の実態を明らかにする会」というグループをつくって政府と交渉しています。たとえば寄贈された業務日誌のリストがあって、記録上、間違いなくあるはずだから出してくれと交渉するのですが、いくら頼んでも「確認中」「行方不明」ということで出てきません。香山しかしそういった資料が古本屋さんのようなところにあって、回収される時にぽっと出てくることが未だにあるそうですね。近藤以前見つかった資料は、731関係者から借りていった研究者が亡くなった後、奥さんが知らずに神田の古本屋に出してしまったものでした。書棚の足元にあった段ボール箱の中から偶然見つかったそうです。香山たまたま大学院の学生さんが古本屋巡りをしていて、これはもしかしたら大変な資料じゃないかということで先生に報告したということですよね。そうでもしなかったら、そのまま捨てられていたかもしれない。近藤青木さんのお話の中にあったフェル・リポート11