ブックタイトル医の倫理

概要

医の倫理

歴史を踏まえた日本の医の倫理の課題こが一番の問題だろうと思います。ですから、やはり意識改革というものが日本の民主化に一番大事だろうと思っています。人権尊重ということにあまりに慣れ親しんでしまって、人権擁護を守ってくれということを国に訴える力がない。それが選挙でも何に関しても表れているという風に私は考えています。ら虐待をなくすためにはどうしたらいいのか？ということについてはなかなか話し合われていません。虐待という問題が日本で非常に広範囲に生じている状況を考えると、戦争と医の倫理の問題にも通じるものがあるように思います。先生たちはどのようにお考えか、是非お聞きたいと思います。土屋２つ目の質問については、実際に見てみれば分かるという話だと思います。前回の医学会総会は東京でやる予定だったのが３.11で流れましたので参加できませんでしたが、その前の大阪の時は我々も小さなブースを借りて、会場の一隅でやりました。その時の様子はなんとなく記憶しています。とにかく皆さん、それも意識していただければということですね。宜しいでしょうか？土屋今のご質問は、それぞれ最後のコメントの中で触れてもらえればと思います。１つ目の大塚さんのご質問について。最初に見せていただいた近藤さんの映像をねつ造だと簡単におっしゃいましたが、最近のネットを見るとそんな意見ばっかりなんですね。私もつい先週、医療倫理を教えている知人が、学生に「なんでこんなねつ造みたいなものを見せるんだ？」と突っかかられたと聞きました。だけど私にはその意味が分からない。どういうことを根拠にねつ造と司会ではどうしてもここで聞いておきたいという方がおられれば、あと１～２人くらいお聞きしたいと思います。おっしゃられているのか、私には分かりません。というのは、近藤さんが携わって制作した『ザ・スクープ』というのは、私が見る限り問題ありません。何がねつ造とおっしゃる根拠なのか、私には理解ができませ質問者大塚健氏／京都府（医療法人大塚医院医師）京都で開業しています大塚医院の大塚と申します。午前中に2007年のニュース映像が出ていましたが、ねつ造で有名なテレビ朝日の報道でした。ああいう印象操作を使って731部隊がいかにも悪いことをしたという表現になるのはいかがなものか。また731部隊が本当に極悪非道なことをしたという物証がないにも関わらず、イメージだけで話を進めるのはどうかなと思います。ん。お医者さんもそうですし我々研究者もそうですが、真理を探究する上で、全てが全て真理だということはないわけです。お医者さんであれば１つの症状だけを見て見誤ることもあるかと思いますし、１つだけで全てを決めつけることはしないわけですね。そこが一番難しい。いろんな証拠がある中で、どれがより真実に近いだろうか？どれだけ信憑性があるだろうか？という検討なしに、全体として評価を下すことはできません。我々研究者やジャーナリストの方々も同じように検討作業をしています。そのためには、フィクションと決めつけて読むことはしません。先ほど申し上げた８年前の大阪でのシンポジウムで、質問者岡本茂樹氏／福岡県（福岡県保険医協会医師）小児科の岡本と申します。今日の医の倫理に関して、小児科では虐待の問題があります。お年寄りも虐待を受けていますし、医師だけでなく一般の国の問題でもありますが、その背景には貧困の問題があるわけです。虐待の問題について話をいろいろ聞くと、結局対処法だけを、つまりいかに虐待されている人を捕捉するか、いかに対応するかということはよく話が行なわれますが、虐待が行なわれる背景、根本か元隊員と言われる方が発言されました。しかしその後、15年戦争と医学医療研究会でも聞き取りをしていた時に「あれ？」というところが出てきたんですね。それは、彼が持って帰ったという731部隊の地図といわれるものが、森村さんの『悪魔の飽食』の本の地図だったのです。その辺りから「この方は、もしかしたら現場は見てないかもしれない」と個人的には考えるようになりました。そういうことには遭遇します。だからこそ、一つ一つの資料を丹念に読んで、裏を取っていく作業が必要なのです。もう一度申し上げますが、１つだけで全てを判断することはできません。全体的に一つ一つ見ていった上で、本当だろうか本当じゃな39