ブックタイトル医の倫理
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医の倫理
閉会のあいさつ閉会のあいさつ本日は朝から長い時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。今日は347名の方にお集りいただきました。またインターネットを通じて510名ほどの方に見ていただけたということですので、合わせて800名か900名近くの方にご参加いただいたことを事務局からお伝えいたします。私からは2点だけお伝えしたいと思います。実は24年前の1991年の4月7日にも、こうした場がもたれました。その時は今回の日本医学会総会の会頭である井村裕夫さん(当時・京都大学医学部教授)も司会をされ、市民と一緒に医療についてを考えていこうという討論会・シンポジウムになったんですね。約300名ほど集まりました。そうしたことが24年前にあったにも関わらず、今回の医学会総会ではこちらからのアプローチに一切音沙汰がないまま、こういう形で開催することになりました。結局、今日の医学会あるいは医師会自身が、狭い専門家集団の中に閉じ込もっているのではないかという気がいたします。私たちはそこにもう一度くさびを打ち込んでいかなければいけないというのが、今日の会の一つの結論かなと思います。もう一つは、私自身「現代医療を考える会」を通して1992年から活動をしてきていますが、この国の政策あるいは医学を含む科学技術に関する国策が、戦時中からずっと国民の犠牲の上に成り立ってきたのではないかということです。その中で731部隊も隠蔽され、ないことのように隠されてきてしまった。戦後のいろいろな薬害も、731部隊と同じような形で、むしろ731部隊を教訓にするような形で隠されてきました。責任者が何ら責任をとらない、あるいは責任の所在が明らかにされないまま来たというのは、やはり731部隊の流れが現在につながっているのではないかという気がしてしまいます。私たちは戦時中の医療の在り方に一つの教訓を得、それを反省する中から新しい医療というものをつくっていかなければいけないのではないかと思います。そのためにも今日の会は良いきっかけになったと思いますし、これに終わらず皆さんと一緒に良い医療あるいはこの国の人々のより良い生活の在り方を一緒につくっていけたらと思います。宜しくお願いします。44