180日超入院患者の保険給付外し等の取扱いに
関する緊急要望

厚生労働大臣 坂口 力 殿
中医協委員 各位    殿

 

 貴台のご活躍に敬意を表します。

 さて、2004年4月実施の診療報酬改定にあたって、180日超入院患者の保険給付外しの除外規定拡大の対象として「小児の長期入院患者」「栄養管理を実施している状態」「重症の神経性食欲不振症等」「特定疾患治療研究事業の対象患者」が例として示されました。

 除外対象の拡大については、事務局から示された例だけにとどまらず、下記の項目の拡大を行うことを要望します。また、保険給付外しの対象日数の短縮化を絶対に行わず現在よりも長くするよう強く要望します。

 なお、除外対象を拡大するだけでは、必要な入院医療を患者から奪うことに代わりがありません。私たちはあらためて、180日超入院患者の保険給付外しそのものを止めて必要な入院医療が提供できるよう、強く要望するものです。

要請項目

(1) 直ちに「180日超入院患者の保険給付外し」を止め、必要な入院医療が提供できるようにすること。

(2) 少なくとも「180日超入院患者の保険給付外し」から次の対象者を除外すること。

@ 重度の肢体不自由者については、「重度の肢体不自由者」又は「寝たきり度ランクB以上」を対象とすること。

A下記に掲げる状態の患者であって、医師が180日を超える入院が必要であると認める場合は、除外対象とすること。

・ 人工腎臓を実施している状態

・ 気管切開術を実施している患者

・ 酸素吸入を実施している患者

・ 常時頻回の喀痰吸引を実施している患者

A 特定疾患治療研究事業の対象患者全員を除外対象にすること。

B 下記に掲げる状態を新たに対象とすること。

・ MRSA感染者

・ 骨折や心疾患など、新たな急性疾患が発症した場合

・ 疾病の急性増悪の場合

C 18歳未満の長期入院の全てを除外対象とすること。

D 他の医療機関の入院期間を通算する取扱いは中止すること。また、他院入院期間の把握を医療機関に押し付ける取扱いは中止すること。少なくとも、骨折や心疾患など新たな急性疾患が発症し入院中に主病が変更となった場合は、当該新たな発症日を通算対象入院期間の起算日とすること。

(3) 「入院患者の保険給付外し」の対象となる日数の短縮化を絶対に行わず、現在よりも長くすること。

(4) 「一般病棟90日超の老人入院患者の診療報酬の減額包括化」を止めること。少なくとも90日超の減額包括化の除外対象を180日超の保険給付外しの除外対象よりも拡大すること。

以上