負担増が診療内容にも影響



 健保3割負担実施直後の5月に、全国保険医団体連合会が、会員に対して行った影響調査では、回答した1,296の医療機関のうち、患者が「減った」との回答が6割を超え、また、負担増を原因とする中断患者も4割の医療機関が経験しています。中断は、高血圧、高脂血症、糖尿病、歯周病など慢性疾患が多いことが特徴で、治療・管理がなされなければ重症化の危険の高いものです。

 同時に負担増によって診療内容に影響を受けたとの回答も、医科で64.8%、歯科で49.2%ありました。その内容は、医科で「投薬日数や薬の種類を変更」「受診日数をへらした」「検査を減らしたり、変更」、歯科は「検査を減らしたり、変更」「受診日数をへらした」「診療内容等を変更」の順となっています。

 「“月1回の受診にしてほしい”という申し出が多く、“1日飲まないとどうなるか”とか“1日の薬の回数を減らして欲しい”とか“長期投与の出来る薬に変えて欲しい”等々病気自身のことよりそんな説明ばかりです」「検査を減らすことが多くなりました。医者としては良くない傾向と思います」など、患者さんの事情と本来すべき治療とのジレンマに悩む声が寄せられています。