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復興増税11.2兆円は法人税減税やめれば必要ない



  9月27日、政府・民主党は「復興増税」を10年間で11.2兆円とすることで合意した。主に所得税は13年1月から10年間、税額の4%を上乗せして5.5兆円増税。個人住民税は14年6月から5年間、現行年4000円の均等割を500円上乗せして0.15兆円増税。たばこ税は12年10月から1本2円引き上げて(国・地方分)2.2兆円増税するなどとしている。

 法人税も「増税」と報道されているが、9月28日の参院予算委員会で安住財務相は「法人税は増税になっていない」と認めた。すなわち30%の法人税(国税)を4.5%引き下げたうえで1割の付加税を課すことにより「実質は税率が(30%から)28%台に下がる」というのである。つまり法人税は「増税」ではなく「減税」なのである。しかも法人税の1割付加税はたったの3年間だけで、4年目からはまるまる4.5%の引き下げになる。

 法人税の引き下げは、東日本大震災が起こる前の2010年12月24日に閣議決定された2011年度税制改正大綱に、法人税(国税)を4.5%引き下げて年間1兆2194億円の減税とする案が盛り込まれていた。年間約1.2兆円の法人税減税とは10年間では約12兆円となり、「復興増税」11.2兆円とほぼ同額である。つまり法人税を4.5%引き下げなければ、11.2兆円の復興増税は全く必要ないのである。逆にいうと、「復興増税」の11.2兆円は、法人税減税の12兆円の穴埋めに使われるだけなのである。

「日経」新聞が読者アンケートを行ったところ、11.2兆円の復興増税に「反対」は過半数を超えて52%に上り、「賛成」の39%を大きく引き離している(10月3日付け)。国民への増税は消費を冷やしてさらに経済を悪化させるからである。法人税の引き下げの穴埋めに使われる「復興増税」は全く必要ないのである。