会長:住江憲勇

 新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの医療機関が苦境に立たされています。保団連は昨年に引き続き、減収補填や診療報酬改善、医療提供体制の確保などを強く求めていきます。
 コロナ禍は、30年来の新自由主義政策の矛盾を明らかにしました。医療費と医療従事者数を抑制し、感染症病床を半減させ、保健所を削減するなどで脆弱になった医療、社会保障が、感染症拡大による混乱に拍車をかけています。国民生活を顧みず、大企業や富裕層の負担軽減、富の集中にばかり取り組んできた政府は、この国難の下にあっても必要な政策を打ち出すことができていません。それどころか昨年12月には、75歳以上の負担増を閣議決定し、さらなる負担を国民に押し付けようとしています。2021年は、新自由主義政策に終止符を打ち、医療・社会保障を充実させる政治への転換が何としても必要です。
 昨年はまた、軍事による安全保障の虚構が明らかになった年でもありました。軍事力は感染症の拡大から人々を守ることはできません。こうした中、核兵器禁止条約の批准国が50カ国に達し、1月22日に発効することが決まりました。世界は、核兵器廃絶に向けて大きな一歩を踏み出しました。保団連も、生命と健康を守る医師・歯科医師の団体としてこの動きを歓迎し、取り組みを強めていきたいと思います。

歯科代表:宇佐美宏

  全国保険医団体連合会は、日本国民が「いつでも、どこでも、だれでも」健康保険で安全かつ十分な診療が受けられることを目指して運動している団体です。そのことを保障するためには、診療に携わる保険医の権利と経営が守られることが前提であることは言うまでもありません。
 まず、医療運動の第一は、診療報酬の改善運動です。厚労省は、皆保険制度発足(昭和36年)以来、医科・歯科ともに低技術料政策を貫いています。そこで保団連は、診療報酬改定の度に診療報酬改善要求をまとめ、厚労省に対して度重なる要請を行い、多くの成果を着実に勝ち取ってきています。加えて、改定直後に「改定の要点と解説」を即座にまとめ、保団連、各保険医協会・医会で会員への懇切丁寧な説明会を旺盛に行っています。会員からの評価は高く、入会の動機にもつながっています。また、審査、指導、監査対策にも熱心に取り組み、指導時の録音や弁護士帯同等を勝ち取り、会員の日常診療擁護に大いに役立っています。
 次に、日本は欧米諸国と比べて患者の窓口負担が高く、経済的弱者や景気の低迷などによっては受診が抑制される傾向が指摘されています。そこで、乳幼児、児童、生徒の窓口負担の無料化運動にも取り組み、各自治体で成果を勝ち取っています。数年前から始まった「みんなでストップ!負担増」運動には、国会内集会で数多くの国会議員の共感を呼んでいます。75歳以上の高齢者の窓口負担2割化については、絶対阻止・撤回を目指して現在運動を展開中です。2割負担が施行されたら、とりわけ歯科では補綴治療に大きな影響が及ぶことは必至です。補綴に関しては、製作に携わる歯科技工士の低賃金、長時間労働が永年の課題となっています。この問題についても解決に向けて運動を強めています。根底には国の歯科医療に対する低技術料政策があることは明白であり、歯科医療費の総枠拡大運動を提起し、総力を挙げて取り組んでいます。
 今回のコロナ禍についても、減収補填や決定的に不足していた感染防具やアルコール等については、会員にできるだけ安価に提供できるような努力や工夫を各協会・医会で行っており、国の支援や対策が遅れる中、会員からは大いに感謝されています。まさに、頼れる組織となっています。