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技工士の5割が「離職を考える」



 日本歯科技工士会が3年ごとに実施している「日技会員実態調査報告(平成15年度)」が発表されました。調査は有効回答数1301人、回収率44.8%(勤務者644人、自営者657人)となっており、技工士の実態を反映した調査になっています。それによれば、回答者の平均年齢は46.9歳で会員の高齢化が進む一方で、平均年収は493万円で3年前より25万円減少するなど高齢化と収入の減少が顕著になっています。

 仕事については「世のためになる」「十分に責任ある仕事が出来る」と使命感では満足度が高い反面で低賃金、長時間労働などについての不満が強く出されています。こうした厳しさを反映して離職については「やや感じる」が33.8%、「非常に感じる」16.3%と、5割もの技工士が離職を考えざるを得なという深刻な状況が報告されています。

 離職まで考えざるを得ない技工士の状況を放置することは、高齢社会の進行に伴い必要とされる良質な補綴物の製作を一層困難にしてしまいます。このため、製作技工料や「補管」の評価を見直し、更に3割負担など患者の窓口負担を軽減させるなど受診抑制なくすことが必要となっています。