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医療費負担増が必要な受診を抑制
--厚生労働科学研究で実証
先頃、01〜03年度厚生労働省政策科学推進研究事業の補助金を受けた研究「医療費の自己負担増による高血圧患者と糖尿病の受診行動の変化」(主任研究者=畝博・福岡大医学部教授)の報告書が公表されました。
この研究では、1997年健保本人の2割負担、2000年高齢者への一部定率負担導入、03年健保3割負担の負担増が、必要な受診まで抑制していないかとの問題意識のもと、継続的定期的に受診している高血圧症患者と糖尿病患者の負担増前後の受診行動の変化などを調べたものです。
それによると、健保2割への負担増によって、高血圧症患者、糖尿病患者ともに受診抑制が有意にみられ、それは特に糖尿病患者に顕著であったとしています。
今回の3割負担では、高血圧症、糖尿病それぞれ合併症のある群とない群に分けて分析。糖尿病で合併症のない群で、必要な受診が有意に減少したとしています。同研究報告は「自覚症状の乏しい慢性疾患では、患者が受診による便益を自覚しにくいが、その後の合併症の予防にとって受診は必要」として、「自覚症状の乏しい慢性疾患に関して、自己負担を上げることは勤労者の健康を損ない、社会のコストが増大してゆく可能性がある」と指摘しています。
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