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第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議・神戸会議の成功を

世界約60カ国から5千人

 1987年1月、わが国初のエイズ患者の報告があった「神戸パニック」から早18年。日本では公式報告で感染者は1万人を突破し、数年以内に3万人規模にはなると推定されているのに、HIV/AIDSは市民生活の中からは忘れ去れようとしているかにもみえる。

 こうした現状に危機感を持った関係者や感染者らが第7回アジア・太平洋地域エイズ国際会議(7th ICAAP)を誘致し、7月1日から5日まで神戸国際会議場で開催される。

 「神戸会議」には過去最高の世界約60カ国から5千人の医師・歯科医師、教育、法律関係者、感染者らが参加登録を済ませた。保団連としても、会議成功と諸問題の解決に向け、特別な態勢を取って取り組むことを決めている。

 「神戸会議」はどのような内容になるのだろうか。

すべての人々に平等に

 HIVに関する生物学的・生理学的理解は大幅に進み、治療薬も次々に開発されたが、ワクチンなどの根本的治療法はいまだ確立されていない。忘れてならないのは様々なコミュニティ間の連携を図るとともに、HIV/AIDSの予防・治療・ケアがすべての人々に平等に提供できることといえる。HIV/AIDS感染者に対する差別や偏見は現在も確実に存在し、感染を予防する知識や情報がかつてないほど必要になっている。

目抜き通りでパレード

 神戸会議のメインテーマは「科学とコミュニティの英知の統合」。7月1日の開会式には各国元首や厚生大臣級首脳らが一堂に会す。

 会議では、A基礎科学と臨床、B治療、ケアと支援、C予防と疫学、D文化、ジェンダーと性的諸問題、E政治、経済と社会の5つのトラックに分けて様々な問題を話し合う。

 2日から4日の午前は、研究や立法、行政などに携わる第一線の演者による招待講演「プレナリーセッション」。2日はHIVの流行と治療現実の道、3日は国境を越えたアプローチ、4日はコミュニティにおける予防と治療、5日は将来に向けて、の講演がある。

 18の小テーマに基づくシンポジウムや、ワークショップ、文化プログラム、コミュニティ・フォーラム、HIVポジティブ・フォーラム、ユース・フォーラム、サテライト・ミーティング、エキシビションなど、5日午後の閉会式まで多彩なプログラムが計画されている。

 また、3日には神戸市内の目抜き通りで、女子テニスやマラソン、Jリーガーの選手らも参加するパレードが企画されるなど多彩な関連行事が予定されている。

 神戸会議の主催は同組織委員会だが、WHO(世界保健機関)、UNAIDS(国連合同エイズ計画)等の国連機関が会議を主導する。各国メディアも200人以上が詰め掛ける予定だ。参加費は4万円だが、1人が参加することで、発展途上国の若者などの1人を会議に招くことが出来る。広く募金も呼び掛けている。(保団連新聞部長・ICAAP組織委員 杉山正隆)

▼詳しくはICAAP事務局まで(06−6377−2188)

会議ウェブサイト:http://www.icaap7.jp