医療危機打開超党派議員連がシンポジウム…保団連も意見を文書提出
4月12日、超党派の国会議員で作る「医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟」(尾辻秀久会長=自民党・元厚生労働大臣)は、医療従事者や患者に意見を聞くシンポジウムを都内で開催しました。医療従事者を中心に約700人が参加しました。
パネリストは、内田健夫日本医師会常任理事、久常節子日本看護協会会長、嘉山孝正山形大学医学部長、桑江千鶴子都立府中病院産婦人科部長、黒川衛医師(全国医師連盟執行部世話人)など、医療従事者7名、患者代表2名。桝添要一厚生労働大臣がメッセージを寄せました。
パネリストからは、現場の実態に即し、特に産科や小児科で医師・看護師不足が深刻であり緊急に対策を講じる必要があるとの指摘や、医療安全調査委員会の設立について厚生労働省が示した第三次試案についての問題点を指摘する発言が相次ぎました。
嘉山氏から「医学部の定員削減を決めた閣議決定を廃止するよう超党派議連で働きかけてほしい」と提起。また、尾辻会長が日医の内田常任理事に「経済財政諮問会議についての評価を」尋ね、内田氏の「国の将来を考える会議であるのに根本的な議論をせず、財政の帳尻合わせに終始し、一律に予算削減を決めている。社会保障予算の年2,200億円削減があと3年も続くと日本の医療は完全に崩壊してしまう」との発言を借り、尾辻氏が「私からは申し上げにくいことをおっしゃって頂いた」と賛意を示す場面も。
会場から発言を求められた小池晃議連幹事は、これを受けて、「医師削減の閣議決定を撤回させ、2200億円削減という骨太の方針を骨抜きにするように一緒に頑張ろう。共産党の私が自民党の尾辻先生と意見が一致しているのだから難しい話ではない」と訴えました。
なお、保団連からは宇佐美歯科代表、川崎診療報酬改善対策担当副会長、板津政策担当理事が、意見を文書で提出しました。
パネリストでの参加ではありませんが「歯科技工の海外委託問題を支援する会」の資料が会場内で配布されました。なお、後期高齢者医療制度の問題については、いっさい取り上げられませんでした。