「外来管理加算の意義付けの見直しの影響調査」はじまる
11月5日の中医協改定結果検証部会で、「外来管理加算の意義付けの見直しの影響調査」(案)が提案された。
調査票の設計は既に完了しており、調査は11月より12月にかけて実施。
12月より来年2月にかけて集計・分析を行い、3月までに報告書を作成する予定。
影響調査 施設票(案)6ページ
影響調査 患者票(案)6ページ
■ 調査対象及び調査方法
<病院調査>
・ 全国の病院の中から無作為抽出した1,500 施設を対象とする。ただし、一般病床数が200 床未満の病院とする。
<診療所調査>
・ 全国の一般診療所の中から無作為抽出した2,000 施設を対象とする。
<患者調査>
・ 病院調査・診療所調査の対象施設に来院した患者を対象とし、1 施設につき4 名を本調査の対象とする。
<調査方法>
・ 自記式調査票の郵送配布・回収とする。
改定結果検証部会では、経済面についても若干盛り込むべきではという意見も出されたが、色々検討した結果、あえて自由記入欄としたことが報告された。
出された意見の中には、算定要件の中に「懇切丁寧」という言葉が使われているが、調査票にはそれとは別に「丁寧」という言葉も混在していることから、何か意図があるのかという質問が出されたが、事務局からは、特に意図は無いものの、おそらく「懇切丁寧」は要件の用語として意識し、「丁寧」は通常の単語として意識したのでは、と述べた。その他出された意見も含め、細かい文言調整する方向で全て了承された。
改定結果検証部会に先立って開催された総会で藤原委員(日医常任理事)は、外来管理加算について、前回に引き続き、日医緊急レセプト調査で現場の影響額が想定以上の減収となったことが明らかになったことから、日医での緊急調査の結果も踏まえた議論を要望するとともに、土田前中医協会長が「今回の改定で、実際に外来管理加算でいくら捻出されたのかを検証すべき」と中医協で発言したことを引用し、検証部会では影響額調査を行うかどうか質問した。
対馬委員(健保連専務理事)は、再診料引下げ議論の経緯と結果および財政中立の面からこれに反対し、患者の視点も踏まえるべきだと述べた。
これに対し藤原委員は「議論の経緯があるというが、議論以前の問題があった。つまり議論の根底にあったデータが曖昧だったことだ。これでは議論にならない。本来ならばもっと意見を聞くべきだったが、遠藤会長は検証部会で議論すると言ったので前回は了承した」と反論した。
松浦委員(支払側・香川県坂出市長)は、再度財政中立を述べ、緊急改定の議論には難色を示したが、竹嶋委員(日医副会長)からは7対1入院基本料に対して建議書(07.1.31中医協総会)を出した結果、国が医療問題に動き出した経緯を述べ、2年に1度だけの改定に疑問を呈した。
最後に、遠藤会長より「今後、日医の調査結果を参考にして議論することで良いかと思う。ただし、本来の基本診療料の在り方を考えなければならないという課題の中で、緊急調査の内容について議論する。その成果をどのように扱うかは今後改めて検討する」と提案して了承された。