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広島県「黒い雨」連絡協が本会を訪問…「指定地域拡大を」

 

 7月3日、広島県『黒い雨』原爆被害者の会連絡協議会の大越事務局長らが本会を訪れ、「黒い雨」の降雨地域の拡大を訴えられました。現在、援護対象となる指定地域は原爆投下直後に「特に大雨が降った」とされる範囲に限定されています。しかし広島県や市は独自の調査を行い、「降雨地域は政府指定地域の6倍の広範囲。未指定地域住民は被爆者に匹敵する健康不良状態」とする報告書を2010年にまとめました。

 これを受けた厚労省は検討会を設置して降雨地域の検討を行ってきましたが、「降雨域は確定できない」「原爆放射線による健康被害があったとする根拠は見いだせない」などとする中間報告を出し、近日中にも最終報告を出して広島市民の訴えを退けようとしています。
 検討会では現地調査や被災者の証言聴取は行われませんでした。しかし広島大などが行った調査では、爆心地から遠く離れた民家の床下から「黒い雨」に由来するとみられるセシウムが発見されています。また本会の本田理事は、広島県の放射線影響研究所が「黒い雨」を浴びた1万3000人分のデータを所有しながら、その分析を行っていないことを昨年突き止めました。

 訪れた大越事務局長らは、「厚労省の担当者と話をしたが、県や市の報告書を読んだのか疑問」「県や市が何千万円もかけて行った調査が水の泡になってしまう」と訴えられました。