社会保障費を圧縮方針―厚労省が概算要求―
(全国保険医新聞2015年9月15日号より)
厚労省は2016年度予算の概算要求の内容を公表した。
医療関係では、24時間対応や在宅対応など地域の薬局間での連携体制構築や健康サポート機能といった「薬局のかかりつけ機能」の強化のためのモデル事業に2億3000万円、かかりつけ医が予防・健康づくりや病診連携、在宅医療の推進などを幅広く担うモデルの構築に4億5000万円などを盛り込んでいる。
しかし、全体としては、社会保障費を大幅に圧縮する方針だ。一般会計は前年度比2.5%増の総額30兆6675億円。社会保障費の自然増は、前年度比1407億円減の6748億円を計上した。政府は年末の予算編成までに「骨太方針2015」に沿って、自然増を5000億円程度にさらに圧縮する方針だ。
「骨太の方針」では、2020年までにプライマリーバランス(PB)を黒字化する目標を掲げ、社会保障分野を歳出削減の「重点分野」として位置付けた。
PB赤字は、相次ぐ法人税減税や無駄な公共事業を続けたことが原因だ。社会保障費削減で帳尻を合わせるのは不合理というほかない。
■保団連の提案
社会保障の充実は国民の生活を下支えするだけでなく、直接的な経済波及効果も生む。保団連は「医療再建で国民は幸せに、経済も元気に」という視点から、医療への公的支出を増やす財源を提案している(政策解説「財源はつくれる」)。
以上