子ども医療費のあり方検討
―厚労省が初会合―
(全国保険医新聞2015年9月25日号より)
厚労省は9月2日、「子ども医療制度の在り方等に関する検討会」(座長=遠藤久夫・学習院大教授)の初会合を開いた。
少子高齢化や子育て支援などの課題を見据え、子どもの医療について、受診状況や提供体制、自己負担のあり方などが検討された。2016年夏ごろに報告書をとりまとめる。
市町村が独自に現物給付で子ども医療費の助成を実施した場合に国保の国庫負担金を減額する「ペナルティ」のあり方が争点のひとつだ。現在、国が定めた子どもの自己負担額について、対象年齢、所得制限等の違いはあるが、全ての都道府県が医療費助成を決め市町村で実施している。都道府県が定めた対象年齢等を拡大して実施している市町村も多い。
2日の検討会ではペナルティについて、子育て支援の国全体の方向性を考えれば改める必要があるなどとする意見と、市町村独自事業の影響で増えた医療費はその自治体で賄うべきなどとする意見が出され、賛否が分かれた(メディファクス9月3日付)。
8月には公明党が子どもの医療費のあり方の問題で小委員会を設置。桝屋敬悟衆議院議員は、今後国保の財政運営の責任主体が市町村から都道府県になるので大事なポイントだと話した(メディファクス8月6日付)。7月には全国知事会が、ペナルティの廃止を国に要請していた。
保団連はペナルティの廃止と国による就学前までの医療費無料化を求める自治体意見書採択を呼び掛けている。
以上