TPP大筋合意
―医薬品の特許強化方針―
(全国保険医新聞2015年10月15日号より)
TPP(環太平洋連携協定)交渉は10月5日、日本や米国など12カ国による閣僚会合で「大筋合意」に達した。
批准させずに交渉撤退を
保団連の住江会長は7日、大筋合意に抗議する談話を発表した。TPPによって薬事行政への介入や医療の営利化・市場化などが進み、国民皆保険制度が形骸化すると指摘。TPPからの撤退、批准阻止などに全力をあげるとした。
ISDS条項盛り込む
内閣官房が大筋合意を受けて公表したTPPの概要では、医薬品の知的財産保護を強化するとして、@特許期間延長制度、A新薬のデータ保護期間に係るルールの構築、B特許リンケージ制度―の導入が掲げられた。投資家が不利益を被ったと判断すれば投資先の国や自治体の制度を変えさせるISDS条項も盛り込まれた。
大筋合意が報じられた6日、東京・首相官邸前では抗議行動が行われた。交渉会合が開かれた米国・アトランタの状況を報告したアジア太平洋資料センターの内田聖子事務局長は「日本で大げさに報道されている大筋合意は、なんら最終合意ではない」と強調。「今後、各国で国民や利害関係者を説得することになるが、簡単にはいかない。バイオ医薬品のデータ保護期間で譲歩した豪州ではすでに市民が抗議行動を開始している」と話した。(「TPPここが問題」と内田氏のアトランタ会合報告)。
以上