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【中医協ひろい読み】 指定難病の診療報酬、
入院患者の他医療機関受診

(全国保険医新聞2015年11月15日号より)

 

 2016年診療報酬改定に向けて、中医協で議論が進む。10月の総会では、指定難病患者への診療報酬上の手当の拡大、入院患者の他医療機関受診における減算措置の緩和が示された。

指定難病306疾患も報酬評価

10月21日中医協資料「総-2」の「個別事項」より
10月21日中医協資料「総-2」の「個別事項」より

 21日の総会では、難病法施行に伴い、56の特定疾患から306の指定難病への拡大を受けて、療養病棟入院基本料や難病外来指導管理料など56疾患を評価対象とする診療報酬項目について、306の指定難病も評価対象にすることが提案された。
 日医常任理事の鈴木邦彦委員は「改定以降の指定難病の追加に応じて自動的に評価対象となるよう措置してほしい」「スモンや劇症肝炎など指定難病から外れた旧特定疾患も対象にしてほしい」と要望した。
 連合の花井十伍委員は「難病の個別多様性や希少難病患者の孤立感に寄り添えるよう、さらにきめ細かい診療報酬上の対応も検討してほしい」と求めた。

入院患者の他医療機関受診の減算緩和へ

10月28日中医協資料「総-3」の「入院医療について(その5)」より
10月28日中医協資料「総-3」の「入院医療について(その5)」より

 現在、入院中に他医療機関を受診した場合、入院報酬から一定割合が減算される。28日の総会では、入院患者が異なる診療科の疾患を有する場合にも診断・治療が円滑に行われるよう、「精神科病院や有床診療所など、特に診療科の少ない医療機関」に入院する患者が、他の医療機関を受診する場合は、減算率を緩和することが提案された。
 日医常任理事の松本純一委員は「中小病院も含めるべき」と要望。宮嵜雅則医療課長は「2つは例示であり、診療科の少ない医療機関についてどう考えるかを議論してほしい」とした。

以上