ホーム

 

TPP交渉、協定文案を公開
全容は依然不透明

(全国保険医新聞2015年11月25日号より)

 

 TPP協定の取りまとめ国であるニュージーランド政府は11月5日、協定文案を明らかにした。同日、内閣官房TPP政府対策本部も「TPP協定の全章概要」を公表しているが、協定文案本体を10分の1ほどの分量に要約したものだ。
 東京都内で13日に開かれたTPPの問題を訴える集会で、アジア太平洋資料センター事務局長の内田聖子氏は、「TPPの全容は不透明なままだ」と強調した。「協定文案には、一定期間以内に『再交渉』『追加的な交渉』『再協議』などの規定が多い。法的なチェックも終了しておらず、今後、各国政府が署名するまでの間に内容が変わる可能性がある」と指摘した。
 内田氏はまた、「日本語のテキストが存在しないため、国民や国会議員は協定文案を見ることができない。翻訳し公開されたとしても難解な法文書だ」と話した。

TPP反対を訴えた市民のパレード(5月、東京・渋谷)

情報公開、説明こそ

 このような状況にもかかわらず、政府は来年1月の通常国会で交渉12カ国に先駆けて批准する考えとも報じられる。協定文案の公開と丁寧な説明なしに国会承認は可能だろうか。

以上