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諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門の中長期開門調査の実施見送りに抗議します

2004年5月13日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本哲夫


 亀井農林水産大臣は、5月11日、諫早湾干拓事業潮受け堤防排水門の中長期開門調査について、実施を見送ることを正式に表明しました。同省自身が設置したノリ不作等対策関係調査検討委員会(第三者委員会)の見解と提言を無視した決定に強く抗議します。

貴重な生態系と豊富な水産資源に恵まれ、「宝の海」と呼ばれた有明海は、今、死の危機に瀕しています。全国の干潟面積の約40%を占める有明海の干潟は年々減少し、干潟が持つ海水の浄化機能も減少しています。

 とりわけ諫早湾干拓事業による3000ヘクタールもの広大な干潟の消失は、有明海全体の生態系に大きな打撃を与えており、干拓事業と有明海異変との因果関係を検証することは、有明海再生にとって不可欠の課題です。

 亀井農相は、開門調査の代替策として、環境変化の仕組みを解明するいっせい観測などの現地調査や調整池の排水の抜本的な改善対策をすすめると述べていますが、開門調査なしに有明海の環境変化の仕組みを解明し、再生することは不可能です。

 諫早湾干拓事業は、環境破壊と貴重な生物の大量殺戮であり、干拓後の事業見込みも全くない無駄な公共事業の典型です。本会は、第三者委員会が提起した中・長期開門調査をただちに実施することを強く要求するものです。

以上