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青森県・六ヶ所村の再処理工場ウラン試験実施に抗議し核燃料サイクル計画の根本的見直しを求める特別決議
2004年12月21日、日本原燃株式会社は、青森県六ヶ所村の再処理工場で、2006年本格的稼働を目的にして、劣化ウランを使ったウラン試験(稼動試験)を開始しました。我々は今回のウラン試験実施に対し、強く抗議します。
核燃を巡る最近の問題として、国内においては、もんじゅ火災、東海再処理工場爆発、JCO臨界事故、東電検査不正、六ヶ所村再処理工場不正溶接、美浜原発事故等多くの不正と不祥事を起こしています。海外では、英・仏再処理工場周辺汚染や白血病やガンなどの発生に関する憂慮すべき調査結果も報告されています。
六ヶ所村再処理工場では、使用済み核燃料貯蔵プールの不正溶接問題を始めとして、多くの技術的問題やトラブルも明らかになっています。また建設費用は既に2兆円を超え、費用総額は六ヶ所村再処理工場とMOX工場だけで約12兆円要し、加えて輸送費等付随する費用も見込まれます。 工場の計画公表そして着工時(1991年)でさえ、これらの費用は一貫して秘密とされてきました。しかも、この数字は稼働率100%で、工場の事故やトラブルなどは全く想定していないものです。工場が運転を開始すれば、膨大な費用負担が発生することは誰の目にも明らかです。
また国際原子力機関(IAEA)は、「すでに10カ国以上が濃縮・再処理施設を持っており、平和利用のための供給能力は十分にある」とし、今年5月にニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議で、核拡散を招きかねないウラン濃縮やプルトニウム再処理施設の新たな建設を5年間凍結するよう提案する予定です。もし2006年に六ヶ所村再処理工場が本格稼働されれば、余剰プルトニウムは無用の長物であるばかりか、国際的に物議をかもす恐れがあります。
本会は、1989年1月に開催した第27回定期総会において、「六ヶ所村核燃料サイクル施設建設反対」の決議を採択し、また2002年1月の第38回定期大会においては「核燃料サイクル計画の根本的見直しを求める」特別決議を採択し内外に発表しました。国民の命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、六ヶ所村再処理工場のウラン試験運転を即刻取りやめるよう決議します。今からでも引き返すことは可能です。
再処理工場の本格稼働の中止並びに、核燃料サイクル計画の根本的見直しを再度強く要求するものです。