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　最高裁は5月30日、住民が高速増殖炉「もんじゅ」の設置許可無効確認を求めていた訴訟で、住民の訴えを棄却し、国の設置許可を無効とした高裁での判決を破棄しました。

　高裁の判決は炉心崩壊事故の可能性などについて｢もんじゅ｣設置許可の安全審査には「看過し難い過誤、欠落」があるとして「原子炉容器内の放射性物質の外部環境への放散の具体的危険性」を指摘し、放射性物質が放出された場合､生命は脅威にさらされるとして安全審査に瑕疵があり設置許可は無効とした正当な判断でした。

　今回の最高裁判決では、主として｢ナトリウム漏れ｣「電熱菅破損」「炉心崩壊」の危険性が争点となりました。しかし最高裁判決は、｢もんじゅ｣がナトリウム漏れ事故･火災事故を起こして以来運転を停止していることなどについて、さかのぼって基本設計の妥当性に影響与えないとし、炉心崩壊事故の発生頻度は極めて低いと断定しました。国際原子力機関は炉心崩壊が起こる可能性を前提に対策をとるように各国に求めています。国外では、高速増殖炉は、多くの国で重大な事故を起こしイギリス、アメリカ、ドイツ、フランス等各国は、開発等を断念しています。

　我々、医師、歯科医師、約10万人以上で構成する本会は、「もんじゅ」の現地視察を行う等して、その危険性を強く認識しました。我々は国民の命と健康を守る立場から、最高裁判決に抗議するとともに、下記項目について要請します。　

一、政府は高速増殖炉の研究、開発を止めるとともに「もんじゅ」を廃炉にすること。

一、福井県は高速増殖炉「もんじゅ」運転再開につながる工事の了承を撤回すること。

一、 政府は国民に、原子力開発などについて徹底した情報開示を行うこと。