教育基本法「改正」案をめぐり緊迫した局面を迎えています。
私たちは、「開業医宣言」にもとづき憲法と平和を守る立場から、憲法にもとづいた教育をめざす教育基本法の理念をふみにじる「改正」案に断固反対します。
現行の教育基本法は、戦前の軍国主義教育の反省にたち、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする」と宣言している憲法の精神にのっとり、「人格の完成をめざす」ことを教育の目的としています。
にもかかわらず、先の通常国会の審議では、教育基本法「改正」案が、憲法9条改悪と一体に「『戦争する国』の人づくり」をねらうものであり、教育の目標に「国を愛する態度」など20項目に及ぶ徳目の列挙をおこない、児童、生徒と国民の内心の自由を蹂躙するものです。また、「教育基本法計画」策定により、国家が教育を思いのままにコントロールする仕組みをつくる憲法違反の大問題をもっていることが明らかになりました。さらに安倍内閣がすすめようとしている「教育再生」が、子どもや学校にまで競争原理を導入し、教育現場における「格差づくり」とその固定化をすすめることも明らかになっています。
現行の教育基本法第1条は、児童生徒の「平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健全な国民の育成」を掲げています。今求められているのは、この教育基本法を生かし、憲法の平和と民主主義の精神を徹底することが最も重要なことだと考えます。
教育基本法「改正」案の撤回を重ねて要求します。